「最近の子どもは泳げなくなっている」
そんな話を聞いたことはありませんか?
BS-TBS「噂の東京マガジン」では、近年増加している「泳げない子どもたち」の実態が特集され、大きな反響を呼びました。
中でも衝撃だったのが、
「小学校6年生の約半数がクロールで25メートル泳げない」
という現状です。
一方でSNSやネット上では、
- 学校プールが減ったからだ
- 昔から泳げない子はいた
- スイミングスクールに通えばいい
- 水難事故防止こそ重要だ
など様々な意見が出ています。
果たして本当に学校プールの廃止が原因なのでしょうか。
本記事では、公営プールや学校プールの減少、泳げない子どもが増えた背景、今後の課題についてわかりやすく解説します。
【結論】泳げない子ども急増の原因はプール廃止だけではない
最初に結論から言えば、泳げない子どもが増えている理由は一つではありません。
主な要因として、
- 学校プールの老朽化と廃止
- 水泳授業回数の減少
- 猛暑による授業中止
- 夏休みプール開放の廃止
- 川遊びや海遊びの減少
- 習い事格差の拡大
- スマホやゲーム時間の増加
などが複雑に絡み合っています。
つまり、
「学校プールがなくなったから泳げなくなった」
という単純な話ではないのです。
噂の東京マガジンで話題になった「泳げない子ども急増」とは
昭和世代にとって、水泳は学校教育の定番でした。
夏になればプール授業が行われ、夏休みには学校プールが開放されるのが当たり前でした。
しかし現在は状況が大きく変わっています。
プールの老朽化や維持費の高騰により、全国各地で学校プールの廃止や民間委託が進んでいます。
その結果、
「子どもが水に触れる機会そのものが減っている」
という懸念が広がっています。
学校プールが減っている本当の理由
維持費が高すぎる
学校プールは建設するだけでは終わりません。
- ろ過装置の管理
- 水質検査
- 設備点検
- 修繕費
- 水道代
など、多額の維持費が毎年必要になります。
老朽化したプールの全面改修には数千万円から数億円かかるケースもあります。
教師の負担が限界に
近年、学校現場では教員不足が深刻化しています。
プール授業では、
- 安全確認
- 健康チェック
- 監視業務
- 事故対応
など非常に大きな責任が伴います。
万が一事故が発生した場合、学校や教員への責任追及が行われることもあり、現場の負担は年々増しています。
昔の子どもと今の子どもは何が違うのか
昭和から平成初期にかけては、子どもたちが自然の中で遊ぶ機会が豊富にありました。
- 川遊び
- 海水浴
- 学校プール
- 夏休みプール開放
など、水に触れる機会が日常の中にあったのです。
しかし現在は、
- 猛暑による外遊び減少
- 安全面への配慮
- 保護者の共働き増加
- スマホやゲームの普及
によって、子どもたちの運動時間そのものが減っています。
水泳だけでなく、
- 縄跳び
- 逆上がり
- 鉄棒
- 跳び箱
などの基本運動能力の低下も指摘されています。
学校の水泳授業だけで泳げるようになるのか
実は昔から、
「学校の授業だけで25メートル泳げるようになる子は少ない」
という意見は少なくありません。
現在の小学校では、
年間3〜6回程度しかプール授業が実施されないケースも珍しくありません。
これだけの回数で泳法を身につけるのは簡単ではありません。
実際に泳げるようになっている子どもの多くは、
- スイミングスクール
- 地域の水泳教室
- 家族とのプール体験
など学校外の経験を積んでいます。
学校水泳の本当の目的とは
多くの保護者が誤解していますが、
学校水泳の最大の目的は競泳選手の育成ではありません。
本来の目的は、
- 水に慣れる
- 水を怖がらない
- 水を正しく恐れる
- 命を守る知識を学ぶ
ことにあります。
近年では、
「25メートル泳げること」よりも、
「溺れた時に浮いて救助を待つ」
着衣泳教育が重視されるようになっています。
泳げれば水難事故を防げるのか
実は必ずしもそうではありません。
海や川はプールとは全く環境が異なります。
自然環境では、
- 潮流
- 波
- 渦
- 低水温
など多くの危険があります。
むしろ泳ぎに自信がある人ほど無理をして事故に遭うケースも少なくありません。
重要なのは、
泳力だけではなく危険を察知する能力なのです。
広がる「習い事格差」という新たな問題
現在、水泳は学校教育よりも習い事の側面が強くなっています。
その結果、
- スイミングスクールに通える家庭
- 通えない家庭
で泳力差が広がっています。
月額数千円から1万円以上かかるため、家計への負担も小さくありません。
今後は、
「泳げる子」と「泳げない子」
の二極化がさらに進む可能性があります。
今後の水泳教育はどうあるべきか
学校プールの維持が難しいのであれば、新しい仕組みが必要です。
例えば、
- 民間スイミングスクールとの連携
- 自治体による補助制度
- 回数券配布制度
- 着衣泳中心の教育
などが考えられます。
単純に「廃止する」「続ける」の二択ではなく、時代に合った仕組みづくりが求められています。
筆者の考察|本当に問題なのは泳げないことなのか
個人的に最も気になるのは、
泳げない子どもが増えたこと以上に、
子どもの体験機会そのものが減っていることです。
川で遊ぶ。
海で遊ぶ。
プールで遊ぶ。
そうした経験の中で、子どもは成功も失敗も学びます。
現在は安全性や効率が重視される一方で、子どもたちが挑戦する機会が減っているようにも感じます。
泳げるかどうか以上に、
水の怖さや楽しさを体験できる環境を残すことが重要なのではないでしょうか。
まとめ|泳げない子ども急増の背景にある日本社会の変化
- 学校プール廃止だけが原因ではない
- 水泳授業回数は大幅に減少している
- 教員不足と老朽化が深刻化している
- 子どもの運動体験全体が減少している
- 習い事格差が泳力格差につながっている
- 今後は水難事故防止教育が重要になる
「泳げること」がゴールではありません。
本当に大切なのは、
水を正しく理解し、自分の命を守る力を身につけることです。
学校、家庭、地域社会が協力しながら、新しい時代の水泳教育を考えていく必要があるでしょう。
著者プロフィール
仮面サラリーマン
大手メーカー勤務の現役サラリーマン。経済・社会問題を中心に分析。
「日本と世界の今がわかる ニュース解説ブログ」を運営し、ニュースの裏側や社会課題をわかりやすく解説しています。
教育、AI、経済、国際情勢など幅広いテーマを取り扱い、 「ニュースを理解すれば未来が見える」をモットーに情報発信を続けています。
written by 仮面サラリーマン