2023年7月30日日曜日

にちようのどようをにちように  平賀源内の策略



毎日暑いですね。
こうも暑いと夏バテしてしまいそうですね。

ということで、今日2023年7月30日は『土用丑の日』
鰻でも食べますか?

『土用丑の日』と言えば、

商売がうまくいかない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため平賀源内に相談したところ、源内は「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めました。すると、その鰻屋は大変繁盛し、ほかの鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した

という話が有名です。

でも、これは嘘、というか、そうだと記された史実や書き物などの証拠・根拠がないんですよね。

という話も有名ですね。


元々は、丑の日に『う』の字が付くものを食べると夏負けしない、という風習があったそうで、瓜や梅干し、うどん、うさぎ、ウマ、ウシなどは食べられていたそうです。


なお、日本各地の貝塚から鰻の骨が出土するそうで、日本人が鰻を食すことは縄文時代から続いているようです。


また、鰻に関しては日本最古の歌集『万葉集』にも記載されており、

石麻呂(いはまろ)に われ物(もの)申(まを)す 夏痩(やせ)に
良(よ)しといふ物そ 鰻(むなぎ)取り食(め)せ
訳:石麻呂に私は申し上げたい。夏痩せによいというものですよ。鰻をとって召し上がりなさい。

痩(や)す痩(や)すも 生(い)けらばあらむを はたやはた
鰻(むなぎ)を取ると 川に流るな
訳:いくら痩せていても、生きていられれば良いではありませんか。間違っても鰻を捕るために川に入って流されたりしないようにしてください。

どちらも吉田老(よしだのおゆ)と言う教養がある立派な人物に、大伴家持(おおとものやかもち)が詠んだ歌です。
奈良時代には鰻は滋養強壮に良い、という認識があったようで、現代まで残る文献で鰻の効用を初めて書き記したのがこの大伴家持の万葉集の歌になります。


そもそも『土用』とは、立春・立夏・立秋・立冬の前の各18日間のことで、その期間内の丑の日が『土用丑の日』となります。

長野県岡谷市の鰻店などで結成された「うなぎのまち岡谷の会」が”夏の土用丑の日のように冬の土用にも鰻を食べよう”として立春前にあたる1月最終の丑の日を『寒の土用丑の日』を1998年(平成10年)に制定、一般社団法人 日本記念日協会に登録されているほか、商標登録(登録4525842)もされています。


さて、最初の平賀源内の話に戻って、もし仮に源内の話が本当であって、その当時に商標登録制度が存在していて、例えば『大暑の土用丑の日』などと商標登録していたならば、とんでもないことになっていたかもしれませんね。