原題:計画され期待され廃墟も想定された都市空間
つくばセンタービル
1983年6月10日にオープンしています。
筑波科学万博の開催が1985年なので、つくばセンタービルが誕生したのは、これからまさに筑波研究学園都市の周辺一帯が発展していくだろうと予感されて活気づいていた時期です。
磯崎新さんは、1985年に「未来都市つくば」という水彩画を発表しています。
そこに描かれているのは「廃墟」でした。
つくばセンタービルの設計は、未来の廃墟を見据えていたのでしょうか。
カンピドリオ広場がモチーフ
つくばセンタービルの広場は、イタリア・ローマのカンピドリオ広場がモチーフになっています。カンピドリオ広場を反転させたような、低い場所に噴水を中心に据えた設計です。
#仮面ライダーロケ地巡り#スーパー戦隊ロケ地巡り#特撮ロケハン部— yuui (@knd_kirikatsu) 2017年7月3日
場所:茨城県つくば市。つくば駅そばつくばセンタービル広場。
登場作品:多数の東映特撮作品
先ほどあげましたがちゃんとした形で再掲。
有名な場所なので、知ってる方も多いかと。#nitiasa pic.twitter.com/vNlXQSkJvX
とにかく広大な空間
筑波科学万博は一年足らずの開催期間。でも、まるで万博が続いているのかというくらいに、その後10年くらい、つくばセンタービル界隈は活気に満ちて賑わっていたように記憶しています。
当時、子供の目には、とにかく広大な空間に感じられました。
記憶そのものが薄らいで、もはや思い出の中でしか会えない光景です。
むしろ、薄らいでいるからこそ、美しい光景に感じることができるのかもしれませんが。
未来的で、若々しさにあふれている空間だったのです。
でもそれは、なんだか自分たち自身のようにも思えてしまうことがあります。
生まれたての街を、生まれたばかりの子どもが歩いている。
将来を期待されて、泣いても笑っても、あるがままの成長を喜ばれて。
ほどなく反抗期、思春期。
かわいがられた子どもたち。
にくたらしくなっていく姿。
期待してくれた大人たちが、
「(・д・)チッ」と舌打ちするような、
そんな大人へと変貌していく。
成人式の華やかさも賑やかさも、まるで幕引きのように。
それでも、愛されているのであればなんの問題もありません。
もちろん、愛されているのであれば。
街も成長します。変わります。
人間と同じくらいのスピード感覚なのでは、と感じることも多いです。
つくばエクスプレスは、つくばセンタービルの輝きと賑わいを遊び尽くした子供たちが、卒業生として都市に送り出されるかのように開業しました。
おりしも、東京湾岸。お台場エリアが再開発で未来都市空間になりつつある活気のある最盛期です。
海の見えるお台場の都市空間は、つくばで夢見ていた未来都市そのもののように感じられて、いえそれ以上に眩しく輝いて煌めいて見えて、私が東京で大好きなエリアになっていました。
2019年現在、つくばセンタービルの周辺は人通りの少なさが目立っています。街としての熟成は、むしろこれからでしょう。
なにが変わるのか、変わらないのか。
窮屈で狭苦しい都市空間
自然発生したというよりも、意図されて計画されて期待されてきた都市空間です。ある意味では、さびれて廃墟化する運命を設計されていた空間なのかもしれません。
あんなに広大で果てしなくさえ感じていた空間が、いまでは窮屈で狭苦しく感じられるほどです。
汚れや廃墟化は、それほど問題ないのではないかと思います。
むしろ、この窮屈さが問題。
実は狭く囲ってしまっただけという感覚が、どんどん大きくなっています。
なにもない広いだけの空間
むしろ、なにもない、広いだけの空間の方が、ぜいたくで素敵です。緑と水が美しければ、それだけでいいのに。植樹された木々は毎年必ず新芽を生み出して、街を新緑で輝かせています。この緑も、手入れされ続けている都市空間そのものです。
つくばセンタービル内ショッピングモール・アイアイモール
「私が愛する遊歩道」がキャッチフレーズ
【2024年3月加筆】 [Updated March 2024]
1. 都市計画の歴史と背景
- つくばセンタービルの設計: 磯崎新氏が設計し、1983年にオープン。筑波科学万博(1985年)の開催に向けて、地域の発展が期待されていた。
- 未来都市のビジョン: 磯崎新氏が1985年に発表した「未来都市つくば」の水彩画には、未来の廃墟が描かれていた。これは、都市の成長と衰退を見据えた設計思想を反映している。
2. つくばセンタービルの現状と課題
- 現在の状況: 2019年時点で、つくばセンタービル周辺は人通りが少なくなっている。都市の成熟はこれからが本番とされる。
- 空間の変化: 広大で開放的だった空間が、現在では窮屈で狭苦しく感じられるようになっている。これは、都市計画の限界や課題を示している。
3. 都市空間の再評価と未来展望
- 再開発の可能性: つくばエクスプレスの開業や、東京湾岸エリアの再開発など、他の都市空間の成功事例を参考に、つくばセンタービル周辺の再開発が期待される。
- 持続可能な都市設計: 緑地や水辺の美しさを活かした持続可能な都市設計が求められている。植樹された木々が毎年新芽を生み出し、都市空間を新緑で輝かせている。
4. 最新の都市計画と建築トレンド
- スマートシティの導入: 最新の技術を活用したスマートシティの導入が進んでいる。IoTやAIを活用した都市管理システムが注目されている。
- エコシティの概念: 環境に配慮したエコシティの概念が広がっている。再生可能エネルギーの利用や、ゼロエミッションビルの建設が進んでいる。
5. 地元住民の声と参加
- 住民の意見: 都市計画には地元住民の意見が重要。住民参加型のワークショップや意見交換会が開催されている。
- コミュニティの形成: 地元住民が主体となってコミュニティを形成し、都市空間の活性化に取り組んでいる。地域イベントやフェスティバルが定期的に開催されている。
6. つくばセンタービルの未来
- 新たなビジョン: つくばセンタービルの未来を見据えた新たなビジョンが求められている。歴史と現代の融合を図り、持続可能で魅力的な都市空間を目指す。
- 観光資源としての活用: つくばセンタービルを観光資源として活用し、地域経済の活性化を図る取り組みが進んでいる。観光客向けのガイドツアーやイベントが企画されている。
これらの情報を提供することで、読者が都市計画やつくばセンタービルの現状と未来について深く理解し、実際に訪れて楽しむための具体的なガイドとなるでしょう。