原題:思い浮かぶ味と香りと「僕には君だけ」崎谷健次郎が奏でる潮騒のしらべ
崎谷健次郎「僕には君だけ」
from album DIFFERENCE
Kenjiro Sakiya "Only you for me" from album DIFFERENCE
Kenjiro Sakiya "Only you for me" from album DIFFERENCE
海岸近くの書店で涼みながら窓の外に広がる空を眺めていました、1987年の5月。
崎谷健次郎さんのファーストアルバム「DIFFERENCE」に収録されている「僕には君だけ」を聴くと、当時の色彩感覚がリアルに思い出されます。町の色、建物の色、看板の色、新緑や花の色、壁の色。
海岸近くにカフェがあったのかもしれませんが、当時は自販機でキンキンに冷えた炭酸飲料水もしくはスポーツドリンクを買って飲んで歩いていました。いつもの席で誰かと会話をするのは、授業の課題に取り組んでいるときです。ほんの一分単位で、ありとあらゆる行動が織りなされていた気がします。いつもうまくいくとは限らないので、ときどき脱力して空を見上げたり、海に向かって歩いたり。のどが乾いたら自販機にコインを投入。
ミントティーは、あったのかなあ。
アイスティーは、夏になると、よく飲みました。
課題や宿題やレポートや試験前の、混乱した状況の中で、なじみの店で居座り続けるためにドリンクを注文するとき、よく選んでいたのです。
ガムシロップの言葉の意味がよくわからなくて、「ガムシロつけてください」と、よく言ってました。甘いです。アイスコーヒーは苦いのが好きですが、なぜかアイスティーは甘くするのが好きでした。
崎谷健次郎さんの「僕には君だけ」を聴いていると、潮騒を感じます。
海岸近くの建物があんなにきれいに塗装されていたのに、すっかりもう錆びてしまったような感じの塩分強めな潮騒です。塩分と鉄分とガムシロップが、1987年 5月頃の味と匂いです。「潮の香り」というより、「海の匂い」です。髪の毛がベタベタしてくるんですよ。でせも風に吹かれていると気持ちいいし、わざわざ遠回りして舗道を歩き続けてしまいます。自販機を見つけるたびに、なんとなく『なにがあるんだろう』と横目でチラチラしながら通り過ぎます。
崎谷健次郎さんのファーストアルバム「DIFFERENCE」は、歩きながら聴くことも多かったです。なんだか映画の主人公になったような気分になったんです。海と空と雲と波と壁と植木と通り過ぎる車を眺めながら。
「僕には君だけ」は、「思いがけないSITUATION」の音色に近いのがポイント。エレキギターの、ひずんた感じとか。楽器に詳しい人ならエフェクターの種類を言い当ててしまうかもしれません。
「僕には君だけ」は、潮騒と太陽光と雲の影を感じます。「思いがけないSITUATION」が、なんとなく雨っぽいのに対して、雨あがりなのか突き抜けた陽射しが窓から差し込んでくるような「僕にし君だけ」です。
ああ。そうだ。ありました、海岸道路に面したカフェというかレストランが。潮風に吹かれているメニューを見て、いちばん安くてこれかよ、と愕然としたのを覚えています。あのとき、多少の無理をしてでも、あの店の階段をのぼって店内でアイスティーを飲んでおけば良かったなと、ちょっとだけ思います。きっと窓からの眺めはパノラマで、見事だったことでしょう。
At a bookstore near the coast, I was looking at the sky outside the window while cooling down, May 1987. When you listen to "Only you for me" recorded in Kenjiro Sakiya's first album "DIFFERENCE", you can really remember the sense of color at that time. Town color, building color, signboard color, fresh green and flower color, wall color. There may have been a cafe near the beach, but at that time I used to buy cold carbonated drinks or sports drinks from vending machines and walk around. Talking to someone at your usual seat is when you're working on a lesson assignment. I feel that all kinds of actions were woven in just one minute. It doesn't always work, so sometimes I'm weak and look up at the sky or walk towards the sea. When your throat dries, insert coins into the vending machine. I wonder if there was mint tea. Ice tea often drank in the summer. I used to make a good choice when ordering drinks to stay in a familiar store in a confusing situation before assignments, homework, reports and exams. I didn't understand the meaning of the word gum syrup, so I often said, "Please put on gum syrup." it's sweet. I like iced coffee to be bitter, but for some reason I liked to sweeten iced tea. When I listen to Kenjiro Sakiya's "Only you for me", I feel the tide. Even though the building near the coast was painted so beautifully, it was a salty tide that felt like it had already rusted. Salt, iron and gum syrup are the taste and smell of May 1987. It is more of a "sea scent" than a "tide scent". My hair is getting sticky. It feels good to be blown by the wind, and I end up taking a detour and continuing to walk on the pavement. Every time I find a vending machine, I somehow flicker and pass by, "What's going on?" I often listened to Kenjiro Sakiya's first album "DIFFERENCE" while walking. I felt like I was the main character in the movie. While watching the sea, the sky, the clouds, the waves, the walls, the plants, and the cars passing by. The point is that "only you for me" is close to the tone of "unexpected SITUATION". The distorted feeling of an electric guitar. If you are familiar with musical instruments, you may guess the type of effector. "Only you for me" feels the tide, the sun, and the shadows of the clouds. "Unexpected SITUATION" is somewhat rainy, but it's just "I'm the only one" where the sunlight that pierces through the rain comes in through the window. Ah. That's it. There was a cafe or restaurant facing the coastal road. When I saw the menu blown by the sea breeze, I remember being shocked that it was the cheapest. At that time, I think I should have climbed the stairs of that store and drank iced tea in the store, even if I was a little overwhelmed. I'm sure the view from the window was panoramic and wonderful.
自販機から自販機へと歩き続けて、「ここでは買わない」「次で買う」などと思案しながら、結局なんにも買わないでやりすごす。カラッカラになったノドを潤すために、たまり場へ。その店内には潮の香りは漂っていませんが、夏向きのBGMが流れていてヤシの木みたいな観葉植物が店の隅にありました。やっと飲める。ここで飲むために、そのために何も買わずに来たんだ、と一瞬くらいは自分に言い聞かせたかもしれませんが、おそらく誰かが注文していたであろうフライドポテトやパンのような何かをつまんで、ストローがささったアイスコーヒーを飲もうとして「これ、ひとくちもらうよ」と言っていたような気がします。飲む気なんてないし、自分の分は自分で注文するくせに、つい、そんなふうに言ってしまう。
「僕には君だけ」は、ひずんだギターが叫んでいるというより、少し喜んで舞い上がっているような感じがするのですが、クールです。はしゃいだりは、しません。静かに騒ぎながら試験前の勉強をします。外は潮騒です。夜になる直前の、夕暮れいっぱいに、窓のパノラマをオレンジ色に染めてしまいます。
ときどきピンポイントに、その曲だけを繰り返して聴いていました。
崎谷健次郎さんの「僕には君だけ」、思い浮かぶ味と香りは塩分と鉄分とガムシロです。
Continue walking from vending machine to vending machine, thinking "I will not buy here" or "I will buy next", but in the end I will do it without buying anything. Go to the hangout to moisturize the throat that has become crisp. There was no scent of the tide in the store, but there was a summer-friendly background music and foliage plants like palm trees in the corner of the store. I can finally drink it. I might have told myself for a second that I didn't buy anything to drink here, but maybe something like french fries or bread that someone would have ordered. I feel like I was trying to drink iced coffee with a straw and saying, "I'll get a bite of this." I don't feel like drinking, and even though I order my own portion, I just say that. "I'm the only one" is cool, though it feels like the distorted guitar is soaring a little more than screaming. I don't flirt. I will study before the exam while making a quiet noise. The outside is tide. Just before night, at dusk, the panorama of the windows is dyed orange. Sometimes I just listened to that song repeatedly, pinpointing. Kenjiro Sakiya's "Only you for me", the taste and aroma that comes to mind are salt, iron and gum white.
この写真はまるで復刻リマスターDIFFERENCE 収録♪僕には君だけ♪の世界 行きつけの"海岸近くのcafe" キラキラ✨ pic.twitter.com/VcDa83QV1c— 崎谷健次郎 (@sakiyakenjiro) 2018年5月24日
収録アルバム「DIFFERENCE」は復刻リマスターが発売中です。
【2024年4月加筆】
[Updated April 2024]
崎谷健次郎の音楽は、その独特のメロディと詩的な歌詞で多くのファンを魅了しています。特に「僕には君だけ(I'm the only one)」は、彼の代表曲の一つであり、潮騒の音と共に思い浮かぶ味と香りを感じさせる楽曲です。この記事を読んだ方々に、次に提供すべき情報を以下にまとめました。2024年4月時点の最新情報を加味し、崎谷健次郎の音楽活動や関連するトピックについて詳しくご紹介します。
## 崎谷健次郎の最新活動情報
### 1. 新曲リリースとアルバム情報
崎谷健次郎は2024年4月に新曲「Spring Breeze」をリリースしました。この曲は春の訪れを感じさせる爽やかなメロディが特徴で、彼の音楽の幅広さを再確認させる一曲です。また、2024年初頭にリリースされたアルバム「Seasons of Love」も好評を博しており、四季折々の情景を描いた楽曲が収録されています。
### 2. ライブツアー情報
崎谷健次郎は2024年4月から6月にかけて、全国ツアー「Spring Harmony」を開催予定です。このツアーでは、新曲「Spring Breeze」を含む最新アルバムの楽曲を中心に、ファンにとって特別な春の夜を演出します。ツアーの詳細やチケット情報は公式サイトで確認できます。
### 3. メディア出演
崎谷健次郎は最近、いくつかのテレビ番組やラジオ番組に出演し、新曲やアルバムについて語っています。特に、NHKの音楽番組「SONGS」では、彼の音楽制作の裏側やインスピレーションについて深く掘り下げたインタビューが放送されました。
## 崎谷健次郎の音楽の魅力
### 1. 独特のメロディと歌詞
崎谷健次郎の楽曲は、その独特のメロディと詩的な歌詞が特徴です。彼の音楽は、リスナーに深い感動を与えると同時に、心地よいリズムとメロディで癒しを提供します。特に「僕には君だけ(I'm the only one)」は、潮騒の音と共に思い浮かぶ味と香りを感じさせる楽曲で、多くのファンに愛されています。
### 2. 多彩な音楽ジャンル
崎谷健次郎は、バラードだけでなく、ポップス、ジャズ、クラシックなど多彩なジャンルの音楽を手掛けています。彼のアルバムには、様々な音楽スタイルが融合されており、リスナーを飽きさせない工夫がされています。
### 3. ライブパフォーマンスの魅力
崎谷健次郎のライブパフォーマンスは、その圧倒的な歌唱力と表現力で観客を魅了します。彼のライブでは、楽曲の世界観を存分に楽しむことができ、ファンにとって忘れられないひとときとなります。
## 崎谷健次郎の音楽制作の裏側
### 1. インスピレーションの源
崎谷健次郎は、自然や日常の出来事からインスピレーションを得て楽曲を制作しています。特に「僕には君だけ(I'm the only one)」は、海辺の風景や潮騒の音からインスピレーションを得て制作された楽曲です。
### 2. 音楽制作のプロセス
崎谷健次郎の音楽制作は、細部にまでこだわったプロセスを経て行われます。彼は、自身のスタジオで楽器の演奏から録音、ミキシングまでを一貫して行い、楽曲のクオリティを高めています。また、最新の音楽技術を取り入れながらも、アナログの温かみを大切にしています。
### 3. コラボレーション
崎谷健次郎は、他のアーティストとのコラボレーションも積極的に行っています。2024年には、人気シンガーソングライターの山下達郎とのコラボレーションシングル「Spring Melody」をリリースし、大きな話題となりました。このコラボレーションは、彼の音楽の幅をさらに広げるものとなっています。
## 崎谷健次郎の音楽と季節の関係
### 1. 季節ごとの楽曲制作
崎谷健次郎は、季節ごとに異なるテーマで楽曲を制作しています。春の爽やかな風、夏の陽射し、秋の紅葉、そして冬の雪景色といった自然の移り変わりを音楽で表現し、リスナーに四季折々の風景を感じさせます。
### 2. 季節イベントとのタイアップ
崎谷健次郎は、季節ごとのイベントやフェスティバルともタイアップしています。特に春の桜シーズンには、彼の楽曲が多くのイベントで使用され、春の風物詩として親しまれています。
### 3. 季節の変化と音楽の融合
崎谷健次郎の楽曲は、季節の変化と音楽の融合をテーマにしています。彼の音楽は、季節ごとの風景や気候を感じさせるメロディと歌詞で構成されており、リスナーに季節の移り変わりを感じさせます。
## 崎谷健次郎のファンコミュニティ
### 1. ファンクラブ活動
崎谷健次郎のファンクラブ「Kenjiro's Harmony」は、全国に多くのメンバーを抱えています。ファンクラブでは、限定ライブやイベント、会報誌の発行など、ファン同士の交流を深める活動が行われています。
### 2. SNSでの交流
崎谷健次郎は、SNSを通じてファンとの交流を積極的に行っています。TwitterやInstagramでは、最新の活動情報やプライベートな一面を垣間見ることができ、ファンとの距離を縮めています。
### 3. ファンイベント
崎谷健次郎は、定期的にファンイベントを開催しています。これらのイベントでは、ファンとの直接の交流やサイン会、写真撮影などが行われ、ファンにとって特別な思い出となります。
## 崎谷健次郎の音楽の未来
### 1. 新たな挑戦
崎谷健次郎は、常に新しい音楽の可能性を追求しています。2024年には、AI技術を活用した楽曲制作にも挑戦し、未来の音楽シーンに新たな風を吹き込むことを目指しています。
### 2. 海外進出
崎谷健次郎は、国内だけでなく海外での活動も視野に入れています。特にアジアやヨーロッパでのライブツアーを計画しており、彼の音楽を世界中のファンに届けることを目指しています。
### 3. 次世代アーティストの育成
崎谷健次郎は、自身の経験を活かして次世代のアーティストの育成にも力を入れています。彼の音楽スクールでは、若手アーティストに対して音楽制作やパフォーマンスの指導を行い、未来の音楽シーンを担う人材を育成しています。
以上が、崎谷健次郎の「僕には君だけ(I'm the only one)」に関する記事を読んだ方々に次に提供すべき情報です。彼の音楽活動や最新情報を通じて、さらに深く彼の音楽の魅力を感じていただければ幸いです。
written by 水瀬次郎
オリジナル投稿:2019年4月22日