2019年12月17日火曜日

JewelryよりMemory きらめく崎谷サウンドの決定版





JewelryよりMemory
崎谷健次郎

from album KISS OF LIFE 1989






この曲を聴くと、なんだか気分がパーッと華やぎます。

ひとことで言い表すとウェディングソングになるのでしょうか。

ユーロビートとハウスとファンクと歌謡曲の「良い要素だけ集めた」ような楽曲で、何回リピートして聴いていても飽きることがありませんでした。

当時、アルバムのなかから一曲もしくは数曲だけを選んで繰り返し再生するのが自分の中での流行。この「JewelryよりMemory」は、一曲だけでもリピートしていたのを覚えています。

ちょうど同級生たちのなかでは、「どんなふうに結婚したいか?」が話題になることが多く、平成になっていたとはいえ『恋愛かお見合いか』で戸惑っている人も多かった頃です。高校を卒業して数年。短大に進学したひとたちは就職していて、さてこれからどうするのかと考えたり迷ったり、なんとなく過ごしていたり。

すでに結婚していた同級生もいるなかで、とにかく私は都会に出て暮らしたいとばかり考えていた時期でした。

結婚願望は子供の頃から強かったので、まあ恋愛したら結婚生活に結びつくのが自然なイメージだったかな。好きな人と一緒に暮らすことに憧れていたからですね。家を出て一人暮らしをするにしても、どこかに『誰かと一緒の暮らし』を夢見ているわけです。


一人暮らしを始めてから結婚するまで数年。その間に、崎谷健次郎さんのダンスナンバーというか「JewelryよりMemory」の収録されているアルバム「KISS OF LIFE」は、むちゃくちゃ聴きまくりました。もう身にまとっている感覚に近いです。音楽の雰囲気というか波動というか、全身を包んでいるくらいの感覚。錯覚ですね。でも、なにか未来や将来をイメージするときは、ハッピーやラッキーの要素が反映されていて、きらきらしていたな。

CDを聴いているときでも、パルテノン多摩でのライブの白熱感も蘇えってきて、ただもうひたすら浮かれていたような浮ついていたような。でも、あの頃は学校も仕事も休みは週1で『え? 土日が休みになるの。まさかあ』という時代でしたが、もう見事なまでに週休二日は定着していますね!



【参考記事】

パルテノン多摩で聴いた崎谷健次郎のダンスミュージック






懐かしむつもりで聴き始めても、まるでリアルタイムで楽しんでいた頃にタイムスリップしてしまう勢いです。

シングルカットしてヒットしていれば、世間的な崎谷さんのイメージも違っていたのかな
という気がしますが、自分の周りでは知っていて聴いている人が多かったので『当時のヒットナンバー』という感覚があります。




「JewelryよりMemory」の作詞は、有木林子さんです。

いま、30年の時間を経過して、あらためて歌詞カードを読み返すと、「あの頃の感覚がずっと続くと思っていた」ことを思い出してしまいます。

音楽は「そのときの気持ち」も吸収しているのかもしれません。

歴史的に振り返れば、バブルの時代。アルバイトの時給が跳ね上がり、給与が振り込まれる口座の金利が数パーセントあるとかいうような時代です。まさにバブルとしか言いようがないのですが、当時は「大人になるって、こういうこと」とか思ったりして、時代の華やかさも狂乱さも自然に受け容れていました。




私にとっては、この曲「JewelryよりMemory」と、崎谷さんが同時期にプロデュースした斉藤由貴さんの「夢の中へ」が、もっともサキヤさんっぽいサウンドだなって感じています。




きらめくものは、いまでも心の中にあります。

私にとっては、「JewelryよりMemory」が魂に響きわたる歌だったのかもしれません。

歓喜の響きです。



大切な誰かや、自分自身が生きていることそのものを祝福したいときに、自然に流れてあふれてくる周波数のようなサウンドが、いまなお楽しめます。



written by 水瀬次郎





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