2020年3月19日木曜日

AIR


うさくまチャンネルさんによる写真ACからの写真


私が中学~高校の頃、ラジオ番組の録音をする人が身近に何人かいました。

「エアチェック」という言葉を最初に聞いたときピンと来ませんでしたが、「ほら。放送中をON AIRって出すじゃん?」と放送部の電光掲示板を例にして説明されて『なるほど。エアーってそういうことか』と納得したのを覚えています。いまだに覚えているというのは、それだけ何か衝撃だったのかもしれません。


カセットテープからCDに、やがてMDになり、MP3やMP4となって音楽再生専用機器を必要としなくなってきた頃。ふとしたときに、

『パソコンにカセットの音源を取りこめたらいいのに』

と思いました。

2006年頃になると、自分が学生の頃に聞いていた音楽がたくさんCD化されて、しかも1000円~2000円で販売されていて、あれもこれもとかなり欲しくなってしまったのですが、

『あれ? あの曲が入っていない』

と気づくようにもなりました。

『やっぱりライブ音源のほうがいいな』

というのもありました。

ある日、ある夜に放送されていたラジオのスタジオライブのほうがオリジナルアルバムの演奏より素晴らしいことが少なくありません。

古いライブやコンサートの映像は、おまけ的についていることはあるものの、それ主体でパッケージ化されることは稀なんですよね。


なので。

「カセットテープの音を自分のパソコンにいれられますか?」

とパソコンショップで質問したところ、

「ありますよ。カセットもレコードも、これ一台でできます」

と紹介されました。

その一台、決して高額ではありませんでした。学生の頃のウォークマンのほうが高額です。即決で即購入。そして、カセットテープを再生しながらパソコンへ。デジタル化というのか、MP化というのか、専門的なことはわかりませんが、とにかくデータとして再生できるようになりました。


驚いたのは、ものすごく音がいいこと。

FM番組から録音したものは、かなり良いです。

新曲紹介やリクエストなどで流れたレコード音源も、CD化されて安価で入手できるようになっていますが「あの日に聴いた音が良く聞こえたのは、こういうことだったのか」と納得できました。放送局の再生機器の素晴らしさと、イコライザー調整ですね。

レコードやカセットテープのアナログ音源は、どんなに元が良くても手元の再生機器が弱ければ、それなりの音しか再生されないんですよね。個人的にレコードをカセットテープに録音しても、市販の同じ内容にミュージックテープとは違う音です。FMで放送された音源は、むちゃくちゃ高音質。それを録音したカセットテープは、カセットテープの性能を最大限に発揮してくれます。なので、今聴いても「こんなに良い音だったのか」と驚きます。むしろ今聴くからこそ、かもしれません。



私の家にはモノラルとラジカセしかありませんでしたが、友人たちからもらってカセットテープの音源は高音質です。とくにオーディオが好きな連中のエアチェックものは、格別でした。





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