2026年2月15日日曜日
【2026年2月9日から15日】今週のビジネス動向まとめ日本版|注目の株価・経済ニュース・社会トレンドを一挙解説!
「防弾チョッキ着といた方がええ」はアウト?参院選SNS“危険投稿889件”で見えた警告ラインの正体
参院選で何が起きたのか|SNS危険投稿889件の概要
警察庁が発表した「889件」の内訳とは
2025年の参院選(投開票:7月20日)に合わせ、警察庁は選挙前約1か月のあいだに候補者や要人への危害を示唆・予告するSNS上の危険投稿を889件把握したと公表しました。期間は6月中旬〜7月19日で、対象プラットフォームはXやInstagramなどです。
警察庁はこの選挙から、単独で過激化する個人(ローン・オフェンダー=LO)への対策として「LO脅威情報統合センター」を初めて設置し、全国の警察・陣営から寄せられた脅威情報を集約・分析しました。
会場警備では、手荷物・金属探知検査の実施率が99%、ナイフやハサミなどの危険物確認は約140件に上りました(多くは悪意の確認なし)。
実際に逮捕されたのか?警告止まりのケース
警察は切迫性が高いと判断した投稿について投稿者を特定し、本人への直接警告を行った事例を公表しています。たとえば、「防弾チョッキは着といた方がええ」という投稿の書き込み主に対して警告が行われました(後述)。一方で、全体発表は「把握・警告」を中心としており、同時点での大規模逮捕の公表は確認されていません。
ローン・オフェンダー(LO)とは何か
「単独犯」とは違う?警察が使うLOの定義
警察庁が用いるローン・オフェンダー(lone offender)は、特定の組織と関わらずに個人が過激化し、計画から実行まで一人で遂行する脅威を指します。従来の「単独犯」と重なる部分はありますが、過激化プロセスや前兆把握の困難さを含めた概念として運用されているのが特徴です。
なぜ今、この言葉が使われ始めたのか
背景には、安倍元首相銃撃(2022年)や岸田前首相襲撃(2023年)などの要人対象事件があり、警備体制の根本見直しとともにLO対策の司令塔機能を強化した経緯があります。2025年参院選でのセンター設置、2026年衆院選でも継続的な対策が打ち出されています。
問題になった投稿例|なぜ「防弾チョッキ着といた方がええ」が危険視されたのか
脅迫・示唆・忠告の境界線
報道ベースで確認できる具体例として、投稿者が首相の公式アカウントに対し「生命狙われてもおかしく無いから鉄帽と防弾チョッキは着といた方がええよ」と書き込んだ件があります。警察は「鉄帽」など専門語の使用や文脈を踏まえ危険性が高いと判断し、投稿者を特定して直接警告しました。投稿者は「危害の意図はない」と釈明しています。
同様に、「(来たら)命ねえかもな」といった表現も、受け手側に危害を想起させる示唆として扱われ、警告の対象となっています。
文脈次第でアウトになる理由
警察は、文言だけでなく投稿先が本人の公式アカウントか・現場写真など具体性があるか・タイミング(演説予告等)を総合評価します。たとえば、現場近傍の写真とともに威迫語を投稿したケースは危険性が高く、迅速に特定・警告が行われています。
「命ねえかもな」はどこが危険なのか
隠語・比喩・ネットスラングも対象になる
「56(ころ)す」「タヒね」「山上する」のように、直接語を避けた隠語・言い換えも、危害の意思表示と受け取れる場合は対象になります。これは参院選期間中の危険投稿の実例として複数報じられています。
警察が重視するのは“意図”より“受け取り方”
投稿者の「冗談」「忠告のつもり」という弁明があっても、受け手(対象本人・会場警備)に具体的危害の可能性を想起させるかが重視され、警告や現場強化につながります。これは警察庁の「前兆を未然に摘む」LO対策モデルの考え方に沿う運用です。
SNS利用者が知っておくべき現実的な線引き
冗談のつもりでも警告されるケース
- 対象本人の公式アカウントに、危害を示唆する言葉や隠語を書き込む(例:「命ねえかもな」「56してやる」)。
- 演説予定・場所など具体性が高い情報と威迫語をセットで投稿する。
- 軍・警備関連の専門語や装備の示唆を交え、危害発生を予感させる文脈で書く(例:鉄帽、防弾チョッキ)。
「言わない方がいい表現」具体例
逮捕・処分の線引きは最終的に個別判断ですが、少なくとも選挙や要人に関する場面では、以下は警告対象になり得るため控えるのが現実的です。
- 「来たら命(いのち)ねえかもな」「人生終了にしてやる」などの威迫・示唆。
- 「56」「4ね」「タヒね」「山上する」など隠語化した危害表現。
- 本人の公式投稿に対し具体的装備の示唆(鉄帽・防弾チョッキ等)を絡めた投稿。
言論統制なのか?それとも安全対策なのか
山上事件以降に変わった警備と監視の現実
重大事件を受け、警察は選挙会場の屋内化の推奨・検査強化・情報集約体制の新設へと舵を切りました。参院選では会場の約5割が屋内となり、99%で荷物検査が実施、約140件の危険物が検知されています。
批判と脅迫を分けるために必要な視点
言論の自由は守られるべきですが、個人の身体に対する危害示唆・予告は自由の範囲外です。警察のLOモデルは、「前兆」らしさ(具体性・実行可能性・時期性)を軸に介入の度合いを決める点に特徴があり、単なる政治的意見の表明とは質的に区別されます。
まとめ|これからの選挙とSNSで気をつけるべきこと
- 889件という数字は、山上事件以降の「前兆を逃さない」警備運用の表れ。センター新設で情報集約と迅速介入が進んだ。
- 脅迫・示唆・忠告の境界は受け手の危険認識で評価される。公式アカウントへの直接書き込み+具体性は特にアウトになりやすい。
- 批判はOKでも、危害の示唆・予告・隠語はNG。選挙時は表現の精度に一段と注意。