2025年11月4日火曜日

食べたくない vs 食べちゃダメ!「好き嫌い」と「アレルギー」の決定的な違いとは?

 原題:好き嫌い と アレルギー は別物です


 以前に、週1回、スポーツクラブで体を動かしていることを書きましたが、本来ならば金曜日に早めに仕事を終業してから行きたいものの、ここ最近は仕事が忙しくてそれがなかなかできず、土曜日の開館時間10:00に合わせて行ってます。

で、ストレッチ+筋トレを1時間、エアロバイクを2時間、プールでウォーキング+スイムを1時間、着替えや最後にシャワーを浴びる時間も合わせると終わるのが15:00ごろ。

運動中に口にするのはカフェラテ500mlにプロテインを溶かしたものと、aminoVITALのクエン酸チャージを溶かしたもの。

なので、運動が終わってから昼飯、夕飯を兼ねて何かを口にするのですが、わたしの場合はカットフルーツ盛り合わせにヨーグルトをかけたもの。

ただ、このカットフルーツ盛り合わせに注意が必要。

年間通じてパイナップルやグレープフルーツ、りんごなどに加え、季節によって旬のフルーツが混ざるのですが、この季節になるとあいつが混じってくるんです。

そいつの名はカキ、かき、柿、persimmon

少々珍しいかもしれませんが、わたしは柿アレルギー

スーパーの陳列を思い浮かべてください。どこのスーパーも入口付近にまず果物がありませんか?
わたしはにおいだけでもダメ。なので、この時期は息を止めて通りすぎます。

では、実際にどれくらいのアレルギーかというと、小学校の給食でのできごとを例に。
わたしが小学生のころは好き嫌いせずなんでも食べなさい、と指導されていた時期。
給食のあとに昼休みだったので、給食時間内に食べ終わることができなければ昼休みも教室に残って食べないといけなかったという。
ある日、柿を使ったフルーツサラダが出たのですが、なんとか食べきって昼休みにグラウンドで友だちと遊んでいたところ、突然の嘔吐と倒れこみ、保健室に搬送、校長先生の車で病院へ連れていってもらい、柿が原因と判明、翌日も体調不良で休み、という状態。

以降、今現在まで一切口にしていません。
もし口にしたときに何が起こるかわからなくて怖い。

ただ、実家にいるときは少々困ったことがありまして。
わたし以外の家族は柿が好き。それも干し柿。
父が仕事の関係で大量に干し柿用の渋柿をもらってくるのですが、それをどこで干すのかというと、2階のベランダ・物干し竿。
当時のわたしの部屋は2階・・・・・・カーテンを開けると干し柿がぶら下がっているわけで。。。。。。

とまぁ、健康優良児だったわたしが唯一小学校を早退、休んだのはそのときだけ。
二度と口にするものか、と思う次第です。

【2025年11月加筆】
[Updated Nov 2025]

1. 好き嫌いとアレルギーの違い

好き嫌いとは?

「好き嫌い」は、個人の嗜好に基づく感情的・心理的な反応です。例えば、納豆の匂いが苦手、ピーマンの苦味が嫌いなど、食べても身体に害はないが、食べたくないという感覚です。

これは生理的反応や幼少期の経験、文化的背景などが影響しており、医学的な診断対象ではありません。

アレルギーとは?

一方、アレルギーは、特定の物質(アレルゲン)に対して免疫系が過剰に反応することで起こる病的な反応です。食物アレルギーの場合、原因となる食品を摂取すると、皮膚の発疹、呼吸困難、嘔吐、さらには命に関わるアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります[1]

アレルギーは医師による診断が必要であり、自己判断で「嫌いだからアレルギー」とするのは危険です。


2. 食物アレルギーの種類と症状

主な症状

  • 皮膚症状:じんましん、かゆみ、赤み
  • 消化器症状:腹痛、嘔吐、下痢
  • 呼吸器症状:咳、呼吸困難
  • 循環器症状:血圧低下、意識障害(アナフィラキシー)

特に即時型アレルギーでは、摂取後数分〜数時間以内に症状が現れることが多く、迅速な対応が求められます[1]


3. 2025年最新のアレルギー表示制度

義務表示対象(特定原材料)

2025年4月から、以下の8品目が義務表示の対象となります[2]

  • 小麦
  • そば
  • 落花生(ピーナッツ)
  • えび
  • かに
  • くるみ(2025年から追加)

くるみは症例数の急増により義務表示に追加されました。2021年度には即時型症例数が463件と、卵・乳・小麦に次ぐ第4位となっています[3]

推奨表示対象(特定原材料に準ずるもの)

以下の20品目は推奨表示対象です。表示義務はありませんが、可能な限り表示が求められます。

  • アーモンド
  • カシューナッツ
  • マカダミアナッツ(2024年追加)
  • ごま
  • オレンジ
  • キウイフルーツ
  • 牛肉
  • さけ
  • いか
  • いくら
  • あわび
  • りんご
  • バナナ
  • もも
  • やまいも
  • まつたけ(2024年削除)
  • 鶏肉
  • 豚肉
  • ゼラチン
  • 大豆

4. アレルギーの診断と検査方法

主な検査

  • 特異IgE抗体検査:血液検査でアレルゲンに対する抗体の有無を調べる
  • 皮膚プリックテスト:皮膚にアレルゲンを接触させて反応を見る
  • 食物経口負荷試験:医療機関で少量ずつ原因食物を摂取し、症状の有無を確認

これらの検査を組み合わせて、医師が総合的に診断します。自己判断で食物を除去するのは栄養バランスを崩す恐れがあるため、必ず医師の指導を受けましょう[1]


5. 食品表示の読み方と注意点

表示例

  • 「一部に卵・乳成分・小麦を含む」
  • 「原材料:小麦粉、卵、乳、砂糖…」

代替表記も認められており、例えば「卵」は「玉子」「エッグ」などでも表示されることがあります。

注意すべき点

  • コンタミネーション(意図しない混入)にも注意。製造ラインの共有などで微量のアレルゲンが混入する可能性があります。
  • 外食時は店員にアレルギーの有無を伝え、原材料を確認しましょう。

6. 木の実類アレルギーの急増と背景

2025年現在、木の実類(ナッツ類)のアレルギーが急増しています。特に以下の品目が注目されています[3]

木の実類症例数(2021年)
くるみ463件(義務表示)
カシューナッツ174件(推奨表示)
マカダミアナッツ45件(推奨表示)
アーモンド34件(推奨表示)

健康志向の高まりにより、ナッツ類の消費が増えたことが背景にあります。


7. 好き嫌いとアレルギーの混同が招くリスク

「嫌いだから食べない」と「食べると命に関わるから食べられない」は、まったく異なる理由です。アレルギーを軽視すると、以下のようなリスクがあります:

  • 誤食による健康被害
  • 医療機関での誤診
  • 学校や職場での誤対応

特に子どもや高齢者は自己申告が難しいため、周囲の理解と配慮が不可欠です。


8. 社会全体での理解と対応

2025年現在、厚生労働省や消費者庁、日本アレルギー学会などが連携し、アレルギー疾患への対応を強化しています[4]

  • アレルギー情報センターの設置
  • アレルギー教育の推進
  • 食品表示制度の改正
  • 医療機関での専門的診断体制の整備

また、学校や保育園、職場でもアレルギー対応マニュアルの整備が進んでいます。


まとめ

「好き嫌い」と「アレルギー」は、見た目は似ていても本質的に異なるものです。アレルギーは命に関わる可能性がある医学的な疾患であり、正しい知識と対応が必要です。

2025年現在、アレルギー表示制度は進化し、くるみの義務表示化など新たな動きが見られます。食品を選ぶ際、表示をよく確認し、アレルギーを持つ方への配慮を忘れないようにしましょう。


ご希望があれば、この内容をブログ記事や動画シナリオ形式に整えることも可能です。どう活用されたいか、ぜひ教えてください!


References


オリジナル投稿:2022年11月4日

【心はロンリーFINAL】明石家さんま×ドレミの歌の謎!異色ドラマに隠された笑いの仕掛けとは?

原題:ドレミの歌  心はロンリー気持ちは「・・・」 


 ♪ドはドゥーンのド

 レはレ・レ・レのレ

 ミは見たなのミ

 ファはブラックデビルのファ

 ソはそんなアホな

 ラはかまへんライダー

 シは知っとるけ?

 さぁ歌いましょう


同世代、もしくは少し上の世代の人に話をふっても通じない。
なぜだ?

冒頭の歌は、フジテレビ系列で放送された明石家さんまさん主演のドラマ『心はロンリー気持ちは「・・・」』の中で歌われたものです。

『心はロンリー』シーリズは年1回放送、全部でパート11まであり、さんまさんと毎回異なるヒロインによる恋愛をテーマにしたドラマ・・・・・・であるものの、その画面には本編とはまったく関係ないギャグがふんだんに散りばめられたバラエティドラマです。

<ギャグの例>
・テロップで「すいません。と言って下さい」と出ると、ちょうど「すいません。」と言ったぐらいのタイミングでウエイトレスさんがやってくる
・動物のはく製が本物の動物
『オレたちひょうきん族』で使用されたギャグが出てくる。
などなど。
ただ、これらにツッコミが入ることは一切なし


ということで、冒頭のドレミの歌です。
パートいくつで歌われたのかは忘れましたが、『The Sound of Music』でDo-Re-Miを子どもたちに囲まれて歌うのと同じように緑の丘で、さんまさんとヒロイン+子ども2人の家族4人が手を繋いで歌いながら丘の上から下ってくる。で、歌い終わったら丘の上に駆け上がりまた手を繋いで歌いながら下ってくる・・・・・・を何回か繰り返す、というものです。最後は息切れしており、「さぁ(「もう?」だったかな?)歌いません!」で終わり。

で、ひょうきん族世代の方々ならばドからシまで元ネタが何かわかりますよね?

<参考>
 ド

 ミ

 ファ

 ラ

 シ

【2025年11月加筆】
[Updated Nov 2025]

ブログ記事「ドレミの歌 心はロンリー気持ちは『・・・』」を読んだ方へ、次に知っておくとより深く楽しめる情報を、2025年11月時点の最新情報を交えてご紹介します。この記事では、明石家さんま主演の異色ドラマシリーズ『心はロンリー 気持ちは「・・・」』の歴史、演出の特徴、最新作『FINAL』の内容、そして今後の展望までを網羅的にまとめました。

『心はロンリー 気持ちは「・・・」』とは?

1984年にフジテレビでスタートしたこのシリーズは、明石家さんまさんが主演を務める単発ドラマで、恋愛ドラマの体裁を取りながらも、随所にナンセンスなギャグやパロディが散りばめられた異色の作品です。略称は「心ロン(こころん)」。

本筋のストーリーとは無関係なギャグが背景やセット、エキストラの動きにまで仕込まれており、視聴者がそれを見つけて楽しむという“発見型”の笑いが特徴です。ギャグの密度が高く、ストーリーを追うことが困難になるほどですが、それこそがこのシリーズの本質とも言えます。

演出と制作陣のこだわり

このシリーズを支えてきたのが、総合演出の三宅恵介氏と脚本の君塚良一氏。三宅氏は『オレたちひょうきん族』の演出でも知られ、さんまさんとのタッグは40年以上にわたります。君塚氏は『踊る大捜査線』や『教場』などの脚本も手がける実力派で、シリアスな物語にギャグを織り交ぜる絶妙なバランス感覚が光ります。

ギャグ考案には、大岩賞介氏、藤沢めぐみ氏、そしてさんまさん自身(杉本高文名義)も参加しており、制作陣の遊び心が随所に反映されています。

歴代シリーズ一覧と放送履歴

シリーズは以下の通り、1984年から2024年までに全12作が制作されました:

  1. 心はロンリー 気持ちは「・・・」I(1984年)
  2. II(1985年)
  3. III(1986年)
  4. IV(1987年)
  5. V(1988年)
  6. VI(1989年)
  7. VII(1990年)
  8. VIII(1991年)
  9. IX(1992年)
  10. X(1997年)
  11. XI(2003年)
  12. FINAL(2024年)

最新作『FINAL』(2024年放送)

2024年4月27日に放送された『FINAL』は、21年ぶりの新作であり、シリーズの完結編と位置づけられています。主演はもちろん明石家さんまさん。今回はベテラン刑事・轟木竜二として、定年を控えた最後の事件に挑む姿が描かれました。

ヒロインには川口春奈さんが起用され、轟木の娘役を演じています。さらに、さんまさんの元妻役として吉田羊さん、大竹しのぶさんとの27年ぶりの共演も話題となりました[^1^][^24^]。

冒頭から『踊る大捜査線』のBGMを使った「犬顔警察署」など、パロディ満載の演出がSNSでも大きな反響を呼びました。

見逃し配信・再放送の予定(2025年11月時点)

2025年11月現在、フジテレビ公式サイトやTVガイドなどでは『FINAL』の再放送予定は発表されていません[^1^][^13^][^14^]。ただし、過去作の一部はDVD化されており、Amazonなどで購入可能です。ただし、権利上の問題で一部シーンがカットされていることもあるため、完全版を望む方は注意が必要です。

なぜ「・・・」なのか?タイトルの裏話

初回放送時、タイトル案は「心はロンリー、気持ちはガンジー」でした。しかし、放送直前にインディラ・ガンディー首相が暗殺されたため、急遽「・・・」に変更されたという逸話があります。

今後の展望とファンへのメッセージ

2024年の『FINAL』でシリーズは完結とされていますが、さんまさんと三宅氏の関係性、そしてファンの熱い支持を考えると、何らかの形で“心ロン的”な作品が再び登場する可能性もゼロではありません。

また、2022年のラジオ番組『MBSヤングタウン』では、さんまさんが「新作の構想がある」と語っていたこともあり、今後の動向に注目が集まります。

まとめ:『心ロン』をもっと楽しむために

このシリーズは、単なるドラマではなく「視聴者参加型のギャグ探しゲーム」とも言える作品です。背景の小道具、エキストラの動き、セリフの裏に隠された笑いを見つけることで、何度でも新しい発見があります。

もしまだ『FINAL』を観ていない方は、ぜひチェックしてみてください。そして、過去作を振り返ることで、さんまさんの笑いの哲学や、テレビ演出の進化を感じることができるはずです。


オリジナル投稿:2023年11月4日

クマが人里に降りる本当の理由はシカだった!300万頭が山を荒らす衝撃の事実



「クマが人里に出没」というニュースを目にするたびに、なぜ?と疑問に思ったことはありませんか。実はその背景には、意外な“真犯人”が潜んでいます。それは、可愛らしい見た目とは裏腹に、山の生態系を揺るがす存在――「シカ」です。近年、全国で急増するシカが、クマの食料を奪い、山を荒らし、結果として「クマ シカ 人里」という異常な関係が生まれているのです。本記事では、その驚くべき実態と、私たちにできる対策までをわかりやすく解説します。


1. なぜクマは激痩せして人里へ?真犯人は「可愛い顔した意外な動物」だった

山から下りてくるクマの背景には、意外にも「シカ」の存在があります。可愛らしい見た目とは裏腹に、シカは山の生態系を大きく揺るがす存在となっており、クマの食料不足を引き起こす原因の一つです。以下では、シカによる「食い荒らし」の実態と、統計データが示す異常な増加の現状を詳しく見ていきます。


1-1. クマの食料を奪うシカの「食い荒らし」のメカニズム

クマが冬眠前に必要とする栄養源である木の実が、近年著しく減少しています。その原因の一つが、シカによる「食い荒らし」です。シカは1000種類以上の植物を食べるほど食性が広く、クマと食料が競合しています。例えば、ドングリやクリなどの堅果類は、クマにとって冬眠前の重要なエネルギー源ですが、シカもこれらを大量に食べてしまいます。その結果、クマは十分な栄養を蓄えられず、やせ細った状態で人里に出没するようになるのです。つまり、シカの旺盛な採食行動が、クマの生存環境を脅かしているのです。


1-2. 統計データが示す「シカの異常な増加」と「山の深刻な被害」

クマの食料不足の背景には、シカの異常な個体数増加があります。現在、日本国内のニホンジカの推定個体数は300万頭を超えており、過去数十年で爆発的に増加しました。この増加に伴い、山林への被害も深刻化しています。林野庁のデータによれば、年間約5000ヘクタールの森林が野生動物によって被害を受けており、そのうち約7割がシカによるものです。例えば、若木の樹皮を食べられることで森林の再生が妨げられ、山の生態系全体が崩れつつあります。つまり、シカの増加は単なる動物の問題ではなく、山全体の環境破壊につながっているのです。


2. クマはなぜシカを襲わない?生態系ピラミッドの「ねじれ」の正体

クマとシカの関係は、単なる捕食者と獲物という構図ではありません。実は、クマがシカを狩ることが難しいという現実が、山の生態系に「ねじれ」を生み出しています。ここでは、シカの驚異的な身体能力と繁殖力、そしてクマとの餌の競合関係について詳しく見ていきましょう。


2-1. シカの驚異的な「俊敏さ」と「繁殖力」

クマがシカを襲わない最大の理由は、狩りの成功率が極めて低いからです。なぜなら、シカは非常に俊敏で、身軽に山を駆け回る能力を持っているからです。加えて、クマがシカを追いかけて怪我をするリスクも高く、無理に狩るメリットが少ないのです。例えば、掲示板でも「すばしっこくて無理」「身軽すぎる」といった声が見られます。さらに、シカは年に2回出産することもあり、個体数が急速に増加します。つまり、クマがシカを捕食できないことで、シカの増加に歯止めがかからず、山の生態系バランスが崩れているのです。


2-2. クマとシカ・イノシシとの間に起こる「餌の奪い合い」

クマが山で生き延びるためには、限られた食料資源を他の動物と分け合わなければなりません。特に、シカやイノシシとの「餌の奪い合い」は深刻です。これらの動物もまた、クマと同じく木の実や植物を食べるため、食料が競合します。掲示板72でも、イノシシがクマの餌を奪っているという指摘がありました。例えば、ドングリや山菜などの栄養価の高い食物は、シカやイノシシによって先に食べ尽くされてしまうことが多く、クマは十分な栄養を得られません。その結果、クマはやせ細り、人里にまで食料を求めて出没するようになるのです。つまり、山の中での餌の競争が、クマの行動を変えてしまっているのです。


3. シカの激増を招いた背景と生態系の「守り人」の不在

シカの個体数が爆発的に増加した背景には、かつて存在した「天敵の不在」と「人の手による管理の弱体化」があります。自然のバランスを保っていた存在がいなくなったことで、シカの増加に歯止めがかからなくなったのです。以下では、オオカミの絶滅とハンターの減少という2つの要因に焦点を当てて解説します。


3-1. かつての天敵「オオカミ」の絶滅と影響

シカの増加を招いた最大の要因は、かつて天敵だったニホンオオカミの絶滅です。オオカミはシカの個体数を自然に調整する役割を担っていましたが、20世紀初頭に絶滅したことで、そのバランスが崩れました。例えば、北米のイエローストーン国立公園では、オオカミの再導入によってシカの数が抑えられ、植生が回復したという事例があります。日本でも同様に、オオカミの不在がシカの過剰繁殖を招き、山の植生や他の動物たちに深刻な影響を与えているのです。つまり、天敵の不在が生態系の崩壊を加速させているのです。


3-2. ハンター(猟友会)の高齢化と報酬問題

もう一つの深刻な問題は、シカの個体数を管理するハンターの減少です。現在、狩猟を担う猟友会の多くは高齢化が進み、後継者不足が深刻化しています。さらに、駆除活動に対する報酬の低さや、捕獲後の運搬・処理の負担が大きいことも、若者の参入を妨げる要因となっています。例えば、山奥で捕獲したシカを運び出すには重機や人手が必要で、個人の負担が大きすぎるのが現状です。このように、人的資源と制度の両面での課題が、シカの増加を止められない大きな要因となっているのです。


4. クマとシカの共存を目指す具体的な対策と今後の展望

クマとシカが共に生きる持続可能な自然環境を守るためには、シカの個体数を適切に管理し、地域社会と連携した対策を講じることが不可欠です。ここでは、政府が掲げる駆除目標と、ジビエ活用による産業化の可能性について具体的に見ていきましょう。


4-1. シカ駆除の目標と「ワナ猟」などによる戦略的捕獲

シカの個体数を抑制するには、計画的かつ効率的な駆除が必要です。政府は2028年までに155万頭のシカを駆除するという目標を掲げており、その達成には「ワナ猟」などの戦略的な捕獲手法が重要です。例えば、山間部に自動通報機能付きの囲いワナを設置することで、効率的な捕獲が可能になります。しかし、これには予算の確保や人材の育成も不可欠です。現場では人手不足や資金難が課題となっており、自治体や地域住民との連携が求められています。つまり、シカの増加を抑えるには、技術と体制の両面からのアプローチが必要なのです。


4-2. 鹿肉(ジビエ)の流通拡大と産業化への課題

シカの駆除を持続可能な形にするには、捕獲した鹿肉を有効活用する仕組みが重要です。中でも注目されているのが、鹿肉を「ジビエ」として流通させる取り組みです。実際、「食料にしてしまえばいい」という声もありますが、現実にはいくつかの課題があります。たとえば、鹿肉は適切な衛生管理のもとで処理しなければ流通できず、そのための施設や人材が不足しています。また、安定供給の難しさや消費者の認知度の低さも普及の妨げとなっています。つまり、ジビエの産業化には、インフラ整備と消費促進の両輪が必要なのです。


5. 私たちにできること:野生動物との距離を考える

クマやシカの問題は、山の中だけの話ではありません。私たち一人ひとりの行動が、野生動物との距離感を大きく左右します。人と自然が無理なく共存するためには、日常生活の中でできる小さな工夫と、長期的な視点での環境保全意識が必要です。以下では、私たちができる具体的な関わり方を紹介します。


5-1. 環境を守るための個人の関わり方

クマの人里への出没を防ぐには、私たちの生活環境の管理が重要です。特に、生ゴミの放置や野外での餌付けは、クマを引き寄せる大きな要因となります。例えば、キャンプ場や山間部の住宅地では、ゴミを密閉容器に入れる、収集日まで屋内で保管するなどの工夫が効果的です。また、問題の根本解決には、山の生態系を守るという長期的な視点が欠かせません。地域の自然保護活動に参加したり、環境教育に関心を持つことも、未来の自然を守る一歩になります。つまり、野生動物との適切な距離を保つには、私たちの意識と行動の変化が不可欠なのです。


【まとめ】クマとシカの関係から見える、私たちの自然との向き合い方

クマが人里に出没する背景には、シカの異常な増加と、それに伴う山の食料不足という深刻な問題があります。シカはクマと食料を奪い合い、さらにその数を急増させて山の生態系を破壊しています。その原因には、かつての天敵オオカミの絶滅や、ハンターの減少といった「守り人」の不在がありました。現在、政府は駆除やジビエ活用などの対策を進めていますが、持続可能な共存には、私たち一人ひとりの理解と行動が欠かせません。


【次にあなたができること】

  • ゴミの適切な管理を徹底し、野生動物を人里に引き寄せない
  • 地域の自然保護活動や環境教育に参加する
  • ジビエ料理を選ぶなど、持続可能な消費を意識する
  • 野生動物との適切な距離を保つ意識を持つ

🌱「自然と共に生きる未来は、あなたの一歩から始まります。」

今できることから、始めてみませんか?


written by 仮面サラリーマン