2025年8月28日木曜日

【読後必見】『黄金の羽根の拾い方』原著&新版を読んだあなたへ──次に知るべき資産形成のリアル

原題:原著版と最新版を続けて読みました。 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方




橘玲さんの「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の原著版と最新版を続けて読みました。原著版はベストセラーだった頃に読みました。法人設立に関する記述に感銘を受けて、実際に個人の資産を運用する法人を設立してサラリーマンを続けながら会社経営をする仮面サラリーマンになったきっかけとなった本です。原著版と最新版を両方読むのがお薦めです。

【2025年8月加筆】
[Updated Aug 2025]

原著(2002年版)から2015年版との変化したこと

・日本の人件費・・・原著版では「日本は世界一人件費の高い国」という記述が何度もありましたが、非正規労働者の増加により、日本は世界一人件費の高い国ではなくなりました。
・出版業界の行き詰まり・・・原著版の執筆時点では書くのは憚ったそうですが、12年の月日を経てタブーではなくなったとのことで出版業界の構造的な問題が説明されました。「構造的な歪みはいつか必ず顕在化する」ということを強調されました。


「黄金の羽根」の次に拾うべきもの──2025年版・個人が資産形成で勝つための戦略

はじめに:制度の「歪み」を活かす知的戦略

橘玲氏の『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』は、資本主義社会における「制度の歪み」を活用し、経済的自由を手に入れるための指南書です。2024年に改訂された新版では、マイナンバー制度の進展や法人保険の義務化など、最新の制度変更が反映され、2025年の日本社会における資産形成のヒントが詰まっています [1]

本稿では、同書の読後に「次に何をすべきか?」を考える読者に向けて、2025年の税制・社会保障・投資環境の最新動向を踏まえた、実践的な資産形成戦略を紹介します。


1. 2025年の税制改革と「黄金の羽根」の新たな形

2025年は税制改革の年です。所得税の基礎控除や給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、実質的な手取りが増える仕組みが導入されました [2]。これは、物価上昇による家計圧迫への対策であり、特に中低所得層に恩恵があります。

一方で、法人税や資産課税の見直しも進行中。マイクロ法人を活用した節税戦略は依然として有効ですが、保険料控除や退職金制度の見直しにより、従来の「抜け道」が塞がれつつあります[3]

✅戦略ポイント:

  • 副業・法人化の検討:一定の収入があるなら、個人事業主や法人設立による節税効果は依然として大きい。
  • マイクロ法人の見直し:保険料控除の制限により、法人保険の活用は慎重に。
  • 所得分散の活用:家族への給与支払いによる所得分散は、税負担軽減に有効。

2. 社会保障制度の変化と「年収の壁」対策

2025年には、年金制度改革が予定されており、「年収の壁」や第3号被保険者制度の見直しが議論されています [2]。これにより、パートタイム労働者や主婦層の働き方に大きな影響が出る可能性があります。

また、在職老齢年金制度の見直しにより、働きながら年金を受け取る選択肢が広がる見込みです。

✅戦略ポイント:

  • 配偶者の就労戦略:年収130万円・106万円の壁を意識し、社会保険加入の有利不利を見極める。
  • 老後の就労設計:年金受給と就労のバランスを取り、税・保険料負担を最適化。
  • iDeCo・企業型DCの活用:老後資産形成の柱として、税制優遇を最大限活用。

3. 投資環境の変化と「米国株一辺倒」からの脱却

橘氏は米国株への長期投資を推奨していますが、2025年の投資環境は大きく変化しています。AI・半導体・再生エネルギーなどの成長分野に加え、地政学リスクや金利動向が市場に影響を与えています。

また、新NISA制度の拡充により、非課税枠が大幅に増加。つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせることで、より柔軟な資産形成が可能になりました。

✅戦略ポイント:

  • 新NISAのフル活用:年間360万円の非課税投資枠を最大限活用。
  • セクター分散:米国株だけでなく、インド・東南アジア・AI関連ETFなども検討。
  • 長期・積立・分散:市場の変動に左右されない投資スタイルを確立。

4. 住宅と保険──「常識」を疑う視点

住宅購入は「レバレッジをかけた投資」であり、生命保険は「損をすることに意味がある」──これらは橘氏の重要な指摘です。

2025年の日本では、人口減少と空き家問題が深刻化しており、不動産価格の下落リスクが高まっています。また、生命保険の見直しが進み、不要な保障を削減する動きが広がっています。

✅戦略ポイント:

  • 住宅は「投資」として判断:資産価値・流動性・将来の売却可能性を重視。
  • 保険は「必要最低限」:家族構成・収入状況に応じて、保障内容を見直す。
  • 火災保険・地震保険の見直し:災害リスクに備えつつ、過剰な保険料を避ける。

5. マイナンバーと情報管理──「見える化」時代の資産防衛

マイナンバー制度の進展により、個人の資産・収入・保険情報が一元管理される時代が到来しています。これにより、税務調査や社会保障の適用がより厳密になる一方で、制度の透明性も向上しています。

✅戦略ポイント:

  • 資産の「見える化」対策:複数口座・証券会社の整理、資産管理アプリの活用。
  • 税務リスクの回避:副業・法人収入の記帳・申告を徹底。
  • 情報漏洩対策:クラウド管理・パスワード管理の強化。

まとめ:2025年の「黄金の羽根」はどこにあるのか?

2025年の日本社会は、税制・社会保障・投資制度の大きな転換期を迎えています。橘玲氏の言う「制度の歪み」は、今もなお存在しますが、その形は変化しています。

「黄金の羽根」を拾うには、制度を理解し、行動することが不可欠です。副業・法人化・新NISA・iDeCo・保険見直し・住宅戦略──これらを組み合わせ、自分に合った資産形成の道を選ぶことが、経済的自由への近道です。


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References


written by 仮面サラリーマン

オリジナル投稿:2019年8月28日