2025年12月24日、日本のゴルフ界にあまりにも大きな悲報が届きました。「ジャンボ」の愛称で親しまれ、国内ツアー最多の94勝を誇るプロゴルファー、**ジャンボ尾崎（本名：尾崎将司）**さんが逝去されました。78歳でした。
昭和から平成にかけて、圧倒的な強さとカリスマ性で日本ゴルフ界を牽引し続けたレジェンド。その突然の別れに、ファンのみならずスポーツ界全体が深い悲しみに包まれています。
ジャンボ尾崎さんの突然の訃報｜死因と最期の様子
日本ゴルフ界の伝説、尾崎将司さんが78歳で逝去
報道によると、尾崎将司さんは2025年12月23日、静かに息を引き取られたとのことです。78歳という年齢は、現代においては「まだ若すぎる」という声が多く、ネット上でも「信じられない」「一つの時代が終わった」といった悲痛なコメントが相次いでいます。
死因となった「S状結腸がん」とは？最近の病状について
死因は**「S状結腸がん」**と発表されました。大腸の一部であるS状結腸に発生するがんで、近年は検診による早期発見が推奨されている病気でもあります。尾崎さんは近年、表舞台に立つ機会が減っていましたが、水面下で病魔と闘いながら、最後まで後進の指導に情熱を注いでいたといいます。
国内最多94勝、比類なき「ジャンボ」の足跡
西鉄ライオンズの投手からプロゴルファーへ｜異色の経歴
ジャンボ尾崎さんの凄さは、その身体能力の高さにあります。徳島・海南高校時代にはエースとして選抜甲子園で優勝。その後、プロ野球の**西鉄ライオンズ（現・埼玉西武ライオンズ）**に入団しました。
野球からゴルフへの転身は当時大きな話題となりましたが、その「飛ばし」の才能はすぐに開花しました。
通算113勝、国内ツアー94勝という前人未到の金字塔
尾崎さんが打ち立てた記録は、まさに驚異的です。
| 項目 | 記録 |
| 国内ツアー勝利数 | 94勝（歴代1位） |
| 通算勝利数（諸外国含む） | 113勝 |
| 賞金王獲得回数 | 12回 |
この圧倒的な数字は、今後誰にも破られることのない不滅の記録と言われています。
ライバル青木功・中嶋常幸と築いた「AON時代」の熱狂
1980年代から90年代にかけて、**青木功（A）、尾崎将司（O）、中嶋常幸（N）**の3氏が繰り広げた優勝争いは「AON時代」と呼ばれ、日本のゴルフ人気を絶頂へと導きました。時に激しくぶつかり合い、時に高め合う彼らの姿に、日本中が熱狂しました。
時代を彩った「ジャンボ文化」｜襟足、ゲーム、そして破天荒な魅力
社会現象となった「ジャンボカット（マレットヘア）」の流行
ジャンボ尾崎さんを象徴するものといえば、あの独特なヘアスタイルです。サイドを短くし、襟足を長く伸ばした**「ジャンボカット」**は、当時のゴルフファンや若者の間で大流行しました。現在でもそのスタイルを貫くファンがいるほど、その視覚的なインパクトは強烈でした。
ファミコン・スーファミ世代には懐かしい『ジャンボ尾崎のホールインワン』
1980年代後半には、自身の名を冠したゴルフゲームが数多く発売されました。特にスーパーファミコンソフト『ジャンボ尾崎のホールインワン』などは、ゴルフを知らない子供たちにも彼の手袋（黒グローブ）や力強いスイングを印象付けました。
「ジャンボ三兄弟」と次世代へ繋いだ「ジャンボ軍団」
長男・将司、次男・健夫（ジェット）、三男・直道（ジョー）の絆
尾崎三兄弟（ジャンボ、ジェット、ジョー）として、兄弟全員がトッププロとして活躍したことも有名です。家族でありながら、ツアーでは最高のライバルとして戦う姿は、日本のスポーツ界における「理想の兄弟像」でもありました。
指導者としての顔｜原英莉花、笹生優花ら「ジャンボ軍団」女子プロの躍進
現役生活の晩年から没年にかけて、尾崎さんは「ジャンボ軍団」として若手の育成に力を注ぎました。
原英莉花選手
西郷真央選手
佐久間朱莉選手
など、現在の女子ゴルフ界を席巻するスターたちの多くが、千葉県にある「ジャンボ邸」でその極意を学びました。自らは表舞台を退いても、その魂は若き弟子たちの中に確実に受け継がれています。
関係者からの追悼メッセージ
ライバルであった青木功氏は「彼がいたからこそ、自分もここまで来られた。最高の戦友だった」とコメントを寄せ、中嶋常幸氏も「寂しい。あの力強いスイングがもう見られないのは信じがたい」と、戦友の早すぎる死を悼んでいます。
また、門下生の弟子たちは、次々にSNS等で師匠への感謝の言葉を綴っており、彼がいかに慕われていたかが伺えます。
まとめ：日本ゴルフ界を「ジャンボ」にした男の功績は永遠に
ジャンボ尾崎こと尾崎将司さんは、単なるプロゴルファーではありませんでした。日本に「ゴルフ」というスポーツを文化として定着させ、勇気と活力を与えてくれた真のヒーローでした。
豪快なショット、繊細なパッティング、そして何よりも勝利への執念。私たちが彼から学んだ「挑戦し続ける姿勢」は、これからも多くのゴルファーたちに勇気を与え続けるでしょう。
ジャンボ尾崎さん、本当にお疲れ様でした。心よりご冥福をお祈りいたします。
written by 仮面サラリーマン
