2026年1月15日木曜日

“国産レアアース”求め海底6000mへ!世界初の試みは「日本の救世主」か「税金の無駄」か?


2026年1月、日本の経済安全保障を左右する巨大プロジェクトが動き出しました。静岡県・清水港を出航した地球深部探査船「ちきゅう」が目指すのは、南鳥島沖の海底6,000m。そこに眠る「国産レアアース」の採掘です。

しかし、このニュースに対して、期待の声と同じくらい「コスト的に見合うのか?」「税金の無駄ではないか?」という厳しい視線も注がれています。本記事では、この世界初の試みの全貌と、私たちが直面している現実的な課題を深掘りします。

1. 探査船「ちきゅう」出航!南鳥島沖6000mの「宝の山」を目指す

2026年1月10日、静岡県の清水港から、高さ130m(40階建てタワーマンション相当)の巨大なタワーを持つ探査船**「ちきゅう」**が静かに出航しました。目的地は、日本の最東端・南鳥島沖。

今回のミッションは、海底6,000mに堆積する「レアアース泥」を、世界で初めて連続的に船上へ揚げることです。これまで試験的な調査は行われてきましたが、いよいよ「産業開発」を見据えた本格的な試掘が始まります。


2. なぜ今、リスクを冒してまで「国産」が必要なのか?

背景にあるのは、深刻化する地政学的リスク、いわゆる**「チャイナリスク」**です。

  • 中国の輸出規制強化: 2026年1月に入り、中国は日本へのレアアース輸出規制をさらに強化。

  • ハイテク産業の生命線: レアアースは、電気自動車(EV)のモーター、スマートフォンの部品、さらには戦闘機などの防衛装備品に不可欠な「産業のビタミン」です。

  • 独占状態への対抗: 世界のシェアを握る中国に供給を絶たれれば、日本の製造業は一瞬で立ち往生します。

南鳥島沖には、日本の国内消費量の数百年分に相当するレアアースが眠っていると推定されており、これが実現すれば、日本は資源輸入国から一気に「資源大国」へと変貌する可能性を秘めています。


3. 「富士山の自販機」理論:コストと採算性の高い壁

一方で、ネット掲示板などでは冷ややかな意見も目立ちます。特に象徴的なのが**「富士山の頂上でジュースを買うようなもの」**という比喩です。

比較項目中国産(露天掘り)南鳥島産(深海採掘)
採掘場所陸上の浅い場所海底6,000メートル
技術的難易度低い(確立済み)極めて高い(世界初)
コスト(想定)安価非常に高額
供給の安定性政治状況に左右される自国資源のため極めて安定

「中国から安く買えばいい」という意見は経済合理性としては正論です。しかし、相手国がそれを「外交の武器」として使う以上、たとえコストが高くても「自前で調達できる選択肢」を持つこと自体が、強力な外交カードになるという側面を見逃せません。


4. 技術的な「最悪のシナリオ」と懸念されるリスク

海底6,000mでの作業は、宇宙開発に匹敵する困難を極めます。

  • 水圧と耐久性: 6,000mの深海では、1平方センチメートルあたり約600kgの凄まじい圧力がかかります。揚泥管(泥を吸い上げるパイプ)の破損や、機器の故障リスクは常に付きまといます。

  • 環境汚染: 泥を吸い上げる際、深海の生態系を破壊したり、海洋汚染を引き起こしたりする懸念も指摘されています。

  • 投資の回収: 試験掘削だけで数百億円。もし商業化の目処が立たなければ、これまでの投資がすべて「埋没コスト」になるリスクを孕んでいます。


5. まとめ:2026年、日本が「資源大国」への第一歩を踏み出す

今回の南鳥島沖プロジェクトは、単なる資源探査ではありません。「資源を武器にする国」に対して、技術力で対抗しようとする日本の意地と戦略の現れです。

確かにコストや技術の壁は高く、手放しで「成功間違いなし」と言える状況ではありません。しかし、他国に依存し続けるリスクと、挑戦するコスト。天秤にかけられた日本の未来が、今まさに南鳥島沖の深海で試されようとしています。

この探査船「ちきゅう」が、期待通り「宝の泥」を携えて帰還するのか、それとも深海の闇に消えるのか。2026年は、日本の産業史における大きな転換点となるでしょう。



written by 仮面サラリーマン