2025年12月16日火曜日

インチ?ポンド?マイル?英語の単位が“勘”でわかるようになる方法

 原題:度量衡  ある意味、勘


Yahoo!ニュースで、『沖縄の牛乳パック、なぜ946ml?』(沖縄の牛乳パック、なぜ946ml? 飲みやすくクセのない「味の違い」と、「価格が高い」理由は(withnews) - Yahoo!ニュース)というのがあったので、ちょいと触れようかと。

記事の中では、沖縄がアメリカに統治されていた影響で、アメリカでは体積の単位として「リットル」ではなく「ガロン」を使用するため、沖縄でも統治下時代にガロンがよく使われていたことで、1リットルに一番近い「4分の1ガロン=946ml」になった、とのことです。

わたしも友人からお土産でもらった料理雑誌を見てお菓子を作ろうと思ったところ、そこに書かれているのは"pound"、"tea spoon"、"tablespoon"・・・・・・アメリカの場合、単位がまったく異なります。

それぞれどんだけやぁ?とわからないので、分量を日本の場合に置き換えて作ろうと思って、調べました。

まずは容量。

 1 teaspoon (tsp) = 5ml = 小さじ1杯
 1 tablespoon (tbsp) = 15ml = 大さじ1杯

厳密には違いますが、ほとんど一緒と考えて問題ないです。なお、( )内はそれぞれの略記です。しかし、オーストラリアは同じtbspを使っても、1tbsp = 20ml です。

次に、重さですが、ボクシングなんかでよく「赤コーナー、208ポンド、・・・」とか言ってますが、

 1 ounce (oz) = 28g
 1 pound (lb) = 454g

ということで、16oz = 1lb になります。ややこしい。「10進数やないんかい!!」とへたり込んでしまいそうです。。。

で、さらに同じounceを使うにしても粉類などの乾物と液体とではまたちょっと違って、

 1 fluid ounce (fl oz) = 30ml = 2 tablespoon

で、fl oz は体積の単位になります。学校で理科の時間に、「水 1g = 1ml」と習いますが、ええ、ずれてます。

でまあ、小麦粉や砂糖、牛乳など準備して量りながら作っていたら、なんか生地を練っているときに硬かったり、逆にゆるかったり、あるいは粉っぽかったり・・・・・・なんでだ?

??

・・・・・・同じ単位だからといって油断してました、cup(カップ)
日本では普通の1カップは200mlです。ただ、お米の場合は昔の尺貫法の名残があって1カップは180ml、すなわち1合です。
これがアメリカでは、

 1 cup (cp) = 237ml ≒ 240ml

ということで、だいたい240mlにします。でもたまに250mlのときがあります。
うーむ、アバウト。そのくせ、アメリカのレシピでは肉などの塊物以外は重さではなく容量で載っていることが多く、"3 cups unbleached all-purpose flour"と書かれても人によって30mlの差がつきます。実際には重さに換算して使うにしても、こんなアバウトでもお菓子はできます。

で、作っていたのはマフィンなのですが、マフィンカップはそのままラッピングして渡すことを考えて100均で買ってきた紙製のものを使っていましたが・・・普通のマフィン(というか今までわたしが作ってきたもの)は膨らんで紙を押し拡げはするものの、だいたい上に膨らんでこんもりとした山になります。でもアメリカの雑誌に掲載のレシピで作った場合横に膨らんで、紙カップを破りました
うーむ、さすがアメリカ、この破壊力。


ちなみに、ヤード・ポンド法では、1 gallon (gal) = 16cps ですが、これをメートル法に直して考えると、1gal = 3.785L = 3785ml に対し、16cps = 16×240ml = 3840ml、237mlで計算しても3792mlとなり、ずれます。

・・・・・・いいのかそれで?


【2025年12月加筆】
[Updated Dec 2025]


英語圏の「度量衡」を使いこなす:文化・感覚・実践のすべて

1. はじめに:なぜ「度量衡」は英語学習の落とし穴なのか?

英語を学ぶ中で、意外と見落とされがちなのが「度量衡(measurement)」の知識です。たとえば「1ガロンって何リットル?」「ヤードとメートルの違いは?」「オンスってどれくらいの重さ?」といった疑問は、英語圏の生活やニュース、レシピ、スポーツ観戦など、あらゆる場面で直面します。

日本ではメートル法が主流ですが、アメリカやイギリスではヤード・ポンド法(Imperial system)やUSカスタマリー単位が使われており、単位の感覚がまるで異なります。この記事では、英語圏での度量衡の使われ方を文化的背景とともに解説し、日本人が「勘」でつかめるようになるためのヒントをお届けします。


2. アメリカ英語とイギリス英語で異なる単位の世界

2-1. 長さの単位

単位アメリカ・イギリス共通日本の換算値
inch(インチ)約2.54cm
foot(フィート)約30.48cm(12インチ)
yard(ヤード)約91.44cm(3フィート)
mile(マイル)約1.609km(1760ヤード)

ポイント:
アメリカでは日常的に「feet」「inches」が使われます。たとえば身長は「5 feet 10 inches(5フィート10インチ)」のように表現されます。イギリスでも似たように使われますが、メートル法も併用される傾向があります。


2-2. 重さの単位

単位アメリカ日本の換算値
ounce(オンス)約28.35g
pound(ポンド)約453.6g(16オンス)
ton(トン)約907kg(US ton)または約1016kg(UK ton)

ポイント:
スーパーでの食品表示や、体重の表記などで頻出します。たとえば「This steak weighs 12 ounces.」など。


2-3. 容積の単位

単位アメリカ日本の換算値
teaspoon(小さじ)約4.93ml
tablespoon(大さじ)約14.79ml
fluid ounce(液量オンス)約29.57ml
cup(カップ)約237ml
pint(パイント)約473ml
quart(クォート)約946ml
gallon(ガロン)約3.785L

ポイント:
レシピや飲料のサイズ表記でよく登場します。アメリカの「1ガロンの牛乳」は約3.8リットル、日本の感覚ではかなり大きいサイズです。


3. 単位の感覚を「勘」でつかむには?

3-1. 身近なモノで換算する

  • 1インチ ≒ 親指の第一関節から先の長さ
  • 1フィート ≒ A4用紙の長辺(約30cm)
  • 1ポンド ≒ 牛乳パック1本分の重さ
  • 1ガロン ≒ 2Lペットボトル2本弱

こうした「体感換算」を覚えることで、数字だけでなく感覚的に理解できるようになります。


3-2. 映像や音声で「耳慣れ」する

英語のレシピ動画やDIY動画、スポーツ中継などで、実際に単位がどう使われているかを聞くことで、自然と「このくらいの量・長さ・重さなんだな」と感覚がつかめてきます。


3-3. 単位の「文化的背景」を知る

たとえばアメリカで「マイル」が使われるのは、歴史的にイギリスの影響を受けたから。イギリスではEU離脱後、再びヤード・ポンド法を重視する動きもあります。単位は単なる数字ではなく、その国の文化や歴史を映す鏡でもあるのです。


4. 実践編:英語での度量衡の使い方

4-1. 会話での使い方

  • “I’m 5 foot 9.”(身長は5フィート9インチです)
  • “It weighs about 2 pounds.”(重さは約2ポンドです)
  • “Drive for 10 miles and turn left.”(10マイル進んで左に曲がってください)

4-2. ビジネスや旅行での注意点

  • アメリカではガソリンの単位が「gallon」、ヨーロッパでは「liter」
  • 荷物の重さ制限は「pounds」で表示されることが多い
  • 建築やDIYでは「inch」「foot」が基本単位

5. 日本人がつまずきやすいポイントと対策

誤解しやすい点実際の意味対策
1ガロン=1L?実際は約3.8Lよく使う単位は暗記+体感で覚える
“ounce”の意味が曖昧重さと液量で異なる文脈で判断+略語(oz, fl oz)に注意
“mile”の距離感がつかめない約1.6km自宅から駅までの距離などで換算してみる

6. まとめ:度量衡は「文化」と「感覚」の交差点

「度量衡」は単なる数字の変換ではなく、文化や生活習慣、そして言葉の背景を理解するための大切な要素です。日本人にとっては馴染みの薄い単位も多いですが、日常の中で「これは何ポンドくらい?」「この距離は何マイル?」と想像するクセをつけることで、自然と“勘”が育っていきます。

英語を学ぶということは、単語や文法だけでなく、こうした「感覚の違い」を受け入れ、楽しむことでもあります。度量衡を通して、英語圏の世界をもっと身近に感じてみてくださいね。

オリジナル投稿:2022年12月16日

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