原題:度量衡 ある意味、勘
【2025年12月加筆】
[Updated Dec 2025]
英語圏の「度量衡」を使いこなす:文化・感覚・実践のすべて
1. はじめに:なぜ「度量衡」は英語学習の落とし穴なのか?
英語を学ぶ中で、意外と見落とされがちなのが「度量衡(measurement)」の知識です。たとえば「1ガロンって何リットル?」「ヤードとメートルの違いは?」「オンスってどれくらいの重さ?」といった疑問は、英語圏の生活やニュース、レシピ、スポーツ観戦など、あらゆる場面で直面します。
日本ではメートル法が主流ですが、アメリカやイギリスではヤード・ポンド法(Imperial system)やUSカスタマリー単位が使われており、単位の感覚がまるで異なります。この記事では、英語圏での度量衡の使われ方を文化的背景とともに解説し、日本人が「勘」でつかめるようになるためのヒントをお届けします。
2. アメリカ英語とイギリス英語で異なる単位の世界
2-1. 長さの単位
| 単位 | アメリカ・イギリス共通 | 日本の換算値 |
|---|---|---|
| inch(インチ) | 約2.54cm | |
| foot(フィート) | 約30.48cm(12インチ) | |
| yard(ヤード) | 約91.44cm(3フィート) | |
| mile(マイル) | 約1.609km(1760ヤード) |
ポイント:
アメリカでは日常的に「feet」「inches」が使われます。たとえば身長は「5 feet 10 inches(5フィート10インチ)」のように表現されます。イギリスでも似たように使われますが、メートル法も併用される傾向があります。
2-2. 重さの単位
| 単位 | アメリカ | 日本の換算値 |
|---|---|---|
| ounce(オンス) | 約28.35g | |
| pound(ポンド) | 約453.6g(16オンス) | |
| ton(トン) | 約907kg(US ton)または約1016kg(UK ton) |
ポイント:
スーパーでの食品表示や、体重の表記などで頻出します。たとえば「This steak weighs 12 ounces.」など。
2-3. 容積の単位
| 単位 | アメリカ | 日本の換算値 |
|---|---|---|
| teaspoon(小さじ) | 約4.93ml | |
| tablespoon(大さじ) | 約14.79ml | |
| fluid ounce(液量オンス) | 約29.57ml | |
| cup(カップ) | 約237ml | |
| pint(パイント) | 約473ml | |
| quart(クォート) | 約946ml | |
| gallon(ガロン) | 約3.785L |
ポイント:
レシピや飲料のサイズ表記でよく登場します。アメリカの「1ガロンの牛乳」は約3.8リットル、日本の感覚ではかなり大きいサイズです。
3. 単位の感覚を「勘」でつかむには?
3-1. 身近なモノで換算する
- 1インチ ≒ 親指の第一関節から先の長さ
- 1フィート ≒ A4用紙の長辺(約30cm)
- 1ポンド ≒ 牛乳パック1本分の重さ
- 1ガロン ≒ 2Lペットボトル2本弱
こうした「体感換算」を覚えることで、数字だけでなく感覚的に理解できるようになります。
3-2. 映像や音声で「耳慣れ」する
英語のレシピ動画やDIY動画、スポーツ中継などで、実際に単位がどう使われているかを聞くことで、自然と「このくらいの量・長さ・重さなんだな」と感覚がつかめてきます。
3-3. 単位の「文化的背景」を知る
たとえばアメリカで「マイル」が使われるのは、歴史的にイギリスの影響を受けたから。イギリスではEU離脱後、再びヤード・ポンド法を重視する動きもあります。単位は単なる数字ではなく、その国の文化や歴史を映す鏡でもあるのです。
4. 実践編:英語での度量衡の使い方
4-1. 会話での使い方
- “I’m 5 foot 9.”(身長は5フィート9インチです)
- “It weighs about 2 pounds.”(重さは約2ポンドです)
- “Drive for 10 miles and turn left.”(10マイル進んで左に曲がってください)
4-2. ビジネスや旅行での注意点
- アメリカではガソリンの単位が「gallon」、ヨーロッパでは「liter」
- 荷物の重さ制限は「pounds」で表示されることが多い
- 建築やDIYでは「inch」「foot」が基本単位
5. 日本人がつまずきやすいポイントと対策
| 誤解しやすい点 | 実際の意味 | 対策 |
|---|---|---|
| 1ガロン=1L? | 実際は約3.8L | よく使う単位は暗記+体感で覚える |
| “ounce”の意味が曖昧 | 重さと液量で異なる | 文脈で判断+略語(oz, fl oz)に注意 |
| “mile”の距離感がつかめない | 約1.6km | 自宅から駅までの距離などで換算してみる |
6. まとめ:度量衡は「文化」と「感覚」の交差点
「度量衡」は単なる数字の変換ではなく、文化や生活習慣、そして言葉の背景を理解するための大切な要素です。日本人にとっては馴染みの薄い単位も多いですが、日常の中で「これは何ポンドくらい?」「この距離は何マイル?」と想像するクセをつけることで、自然と“勘”が育っていきます。
英語を学ぶということは、単語や文法だけでなく、こうした「感覚の違い」を受け入れ、楽しむことでもあります。度量衡を通して、英語圏の世界をもっと身近に感じてみてくださいね。

古代は皇帝の手のサイズで尺を作っていたそうですね。
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