2026年2月2日月曜日

日本の労働力人口が初の7000万人突破!人口減なのに増え続ける本当の理由とは?

 


労働力人口が7000万人を超えた背景とは?

ニュース概要:2025年の平均労働力人口7004万人の意味

2026年1月30日に報じられた総務省「労働力調査」の要点は、2025年の年間平均の労働力人口が7004万人となり、統計開始(比較可能な1953年以降)で初めて7,000万人を突破したという事実です。報道各社も同日、「女性と高齢者の労働参加の拡大」が押し上げ要因であると整理しています。
(参考)総務省の労働力調査ポータル・速報類。年・月別の一次統計はここから確認できます。

なぜ日本は人口減なのに労働力人口が増え続けるのか

日本の総人口は減少傾向にありますが、女性と高齢者の労働参加率が上がることで“労働力人口”自体は増えることがあります。政府白書や統計では、65歳以上の労働力人口比率や就業率が上昇している実態が示されています。たとえば令和6年版「高齢社会白書」は、65歳以上の労働力人口比率が長期的に上昇し、65~69歳や70~74歳の労働力人口比率も上がっていると記載しています。

女性・高齢者の労働参加が加速した3つの要因

1) 物価高の定着と家計防衛:2024年度は実質賃金が3年連続マイナス(確報)で、名目の賃上げを物価が上回る局面が長期化。家計の実質感を押し下げ、共働き・シニア就労を後押ししました。
2) 就業機会の拡大(人手不足):介護・宿泊飲食・小売など人手不足の産業で雇用需要が強く、高齢者や女性の受け皿が拡大。2025年時点の外国人労働者数は257万人(過去最多)で、企業の採用姿勢が積極化していることも示唆します。
3) 制度面の後押し:在職老齢年金の緩和方向(支給停止基準額の段階的引上げ方針)が、「働き損」回避を意識するシニアの就労継続に追い風。2026年度にかけ基準額62万円→65万円へ(時限的な表記を含む政府方針)の説明が行われています。


女性と高齢者が働く理由は“前向き”か“仕方なく”か

生活費の上昇・物価高が家計を直撃している現状

2024年平均の実質賃金は前年比▲0.2%、2024年度は▲0.5%と、プラス転換の遅れが続きました。名目賃金は上がっても、生活実感を左右する物価が高止まりし、「働き手を増やす」方向の圧力になりました。

年金だけでは暮らせない?シニア就労が拡大する理由

65歳以上の労働力人口比率・就業率は上昇基調で、就労意欲も強い層が多いことが政府白書に示されています。さらに在職老齢年金の支給停止基準額引上げが進み、賃金+年金の合計が一定水準を超えるまで減額されにくい方向へ(2026年度以降の引上げ予定を含む)。この設計が、「稼げば損」という心理的障壁を和らげ、働き続ける選択を後押しします。

共働き前提社会と少子化の関係

就業率は男女ともに上昇する一方、25~44歳女性の就業率は81.9%(2024年)まで高まっています。家計維持へ“共働き”が標準化するほど、家事・育児の外部化負担や時間制約が増し、出生行動に影響し得る点は政策上の重要論点です(男女共同参画白書の就業率推移より)。


それでも賃金が上がらないのはなぜ?

労働力人口が増えても実質賃金が伸びない構造

賃上げが進んでも、消費者物価の伸びが相殺して実質賃金が伸びにくい局面が続きました。民間調査では2025年も春夏の一時的改善→再びゼロ近傍の見通しなどが示され、実質ベースの改善は物価次第という構造が続いています。

生産性とGDPの関係|70歳労働社会の課題

労働量の拡大だけでは一人当たり生産性(付加価値)は上がりません。厚労省の労働経済白書(令和7年版)も、持続的成長には労働生産性の向上(AI・ソフト投資、現場の効率化)が不可欠と指摘。高齢就労の拡大自体は重要ですが、生産性向上とセットで初めて所得や成長に結びつきます。

非正規雇用・低賃金産業の増加による影響

就業拡大の受け皿が、介護・宿泊飲食・小売など賃金水準の相対的に低い産業に偏る場合、平均賃金の伸びを抑える面が出ます。外国人を含む労働力の増加が最も多いのも製造・小売・宿泊飲食・医療福祉などで、需給は緩むが賃金の上昇圧力は限定的という産業構造の課題がにじみます。


“人手不足はウソ?”外国人労働者との関係を整理する

外国人労働者250万人超の背景

2025年10月末時点の外国人労働者は257万人(過去最多、前年比+11.7%)。製造・小売・宿泊飲食・医療福祉など人手不足が深刻な業種で雇用が拡大しています。

企業が外国人を選ぶ理由(助成金・採用しやすさ)

採用難の中、現場即戦力の確保や在留資格の拡充(特定技能等)が後押し。報道や実務情報では、雇用・就労環境整備で使える助成金枠も周知され、人材確保の一手として活用が進みました(制度紹介・報道の概説)。

「日本人が足りない業種」と「余っている業種」のギャップ

「人手不足」はマクロではなく“職種・地域・賃金水準のミスマッチ”の問題です。高齢者の就業拡大が進んでも、フィジカル要件・技能要件の高い現場は依然として採用が難しく、その受け皿として外国人が機能している実態があります(雇用状況の業種別内訳参照)。


この先、日本の労働市場はどう変わるのか

2030年までの労働力人口予測とシナリオ

JILPT(労働政策研究・研修機構)の推計では、政策が進まず参加率が据え置かれるケースで2030年に6,556万人まで減少。一方、成長実現・労働参加進展のケースなら2030年6,940万人でピークをつけ、その後も減少幅を抑えられる見通しです。今回の7004万人突破は、進展ケースすら上回る“加速”であり、今後の持続性が注目されます。

AI・ロボット化で置き換わる仕事/残る仕事

政府報告は、AIが事務系タスク等を大きく効率化し、一部は自動化、同時に新たな職務を創出する「代替+補完」の両面を示しています。ILOの最新整理でも、世界の雇用の約24%が生成AIの影響を受け、事務職への影響が大。日本の企業でも生成AIの業務利用は拡大中ですが、導入・活用の遅れも課題です。

個人が今から備えるべき働き方とスキルとは

  • 非ルーティン仕事(対人・創造・意思決定)へ軸足を移す
  • 生成AIを前提とした業務遂行スキル(プロンプト/検証/統制)を身につける
  • 介護・医療・物流・インフラなど、人手不足が慢性化する現場スキルを磨く
    (出所:政府白書の示す方向性・国内企業の活用度比較)

まとめ:労働力7000万人時代に個人と企業が考えるべきこと

働き方の柔軟化とリスキリングの重要性

労働力人口の“量”の伸長は確認されました。次は“質(生産性)”の底上げです。政府白書は、AI等の投資・業務設計の見直し・柔軟な雇用管理を通じた生産性向上の必要性を明記。個人はリスキリング、企業は職務再設計と教育投資を急ぐべき局面です。

中小企業が生き残るための採用戦略

  • シニアが働きやすい基準(在職老齢年金の基準額引上げ)を踏まえ、賃金・就業時間設計を見直す
  • 技能・資格提示型の求人で選ばれる職場に
  • 外国人採用の適正化(育成・定着・就労環境整備と助成の活用)
    (背景データ:在職老齢年金の見直し方針/外国人労働者の最多更新と業種内訳)

持続可能な労働社会をつくるために必要な視点

  • 家計の実質感の改善(物価・実質賃金)と労働参加の両立
  • 少子化対策と就労支援の両輪(育児と就業の両立支援)
  • 生産性向上×公正な分配(賃金・キャリア・学び直し)
    (根拠:実質賃金の推移・女性就業率の上昇、AI時代の職務再設計の必要性)

written by 仮面サラリーマン

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