2024年3月29日金曜日

ギリシャ神話と星座:牡牛座(Taurus)の物語と観測ガイド

原題:ギリシャ神話~星座編~② Taurus 牡牛座


ギリシャ神話といえば、主神であり多くの神々の父である全知全能の王、ゼウス神ですよね。このゼウス神は、ギリシャ神話のほとんどのエピソードに登場しています。が、彼自身が主人公のエピソードも数多く収められています。今回のこの牡牛座の話も、ゼウスが大活躍(!)します。神々の父、全知全能の王、と聞くと、どれだけすばらしい神さまなのだろう、って思ってしまいますが、そこがギリシャ神話の面白いところ。どの神さまも人間っぽくて、いろいろな過ちを犯します。さて、ゼウスは、このエピソードでどんな過ちを犯すのでしょう。
Speaking of Greek mythology, Zeus, the omnipotent king who is the main god and the father of many gods, isn't it? This god Zeus appears in most episodes of Greek mythology. However, there are many episodes of the main character himself. Zeus will be a big success in this story of Taurus (!). When I hear that he is the father of the gods and the omnipotent king, I wonder how wonderful the gods are, but that is the interesting part of Greek mythology. Every god is human and makes various mistakes. Now, what mistake does Zeus make in this episode?


Taurus(牡牛座)にまつわる話とは……?
What is the story about Taurus ...?



星占いでは、4月21日~5月20日の生年月日の人が牡牛座になる、とのこと。一体どんなエピソードが隠されているのでしょうね。たとえ伝説や神話の中の話だ、といわれても、やはりどんな内容なのか、誰が主役なのか、この星周りに生まれた人たちにとっては気になるところではないでしょうか?
According to the horoscope, the person whose date of birth is from April 21st to May 20th will be Taurus. What kind of episode is hidden? Even if it is said that it is a story in a legend or a myth, what kind of content is it, who is the main character, isn't it something that people born around this star are curious about?

ヨーロッパの母をさらう
Leaving a European mother




フェニキアの王の娘、エウロパ王女は、誰もが認める美貌の持ち主でした。その噂は天上界の神々の間でもささやかれるほどでした。そして、その噂を耳にしてソワソワしだしたのはゼウスです。ゼウスは雷を武器とし、全知全能で恐いものなしの主神でしたが、その好色ぶりも半端ではありませんでした。ゼウスは、ある春の日、エウロパをひと目見ようと下界に降りていきます。
Princess Europa, the daughter of the Phoenician king, had an undisputed beauty. The rumor was even whispered among the gods of the heavenly world. And it was Zeus who heard the rumor and started to sow. Zeus was a omnipotent, omnipotent and fearless god with lightning as his weapon, but his amorousness was not odd. One spring day, Zeus descends to the lower world to see Europa at a glance.



花が咲き乱れる春の野でたわむれている若い乙女たちの中に、ひときわ美しい女性に目を留めたゼウス。それがエウロパだと知ると、1頭の美しい白い雄牛に姿を変えて近づいていきます。乙女たちは驚いて逃げようとしましたが、その雄牛の美しさに好奇心をあおられたようで、ゼウスが化けているとも知らずに雄牛の周りに集まってきました。中でもエウロパは、大きな瞳で自分のことをじーっと見つめている雄牛に惹きつけられたのか、こわごわと手を伸ばして雄牛をなではじめました。雄牛はうれしそうにエウロパを見つめました。そこで気を許したエウロパは、その雄牛の背中にそうっと腰をおろします。さあ、喜んだのは雄牛ならぬゼウスです。ここぞとばかりに立ち上がると、猛然と走りだしたではありませんか。
Zeus noticed a particularly beautiful woman among the young maidens who were playing in the spring field where the flowers were in full bloom. When she finds out that it's Europa, she turns into a beautiful white bull and approaches. The maidens were surprised and tried to escape, but seemed curious about the beauty of the bull and gathered around the bull without knowing that Zeus was ghosting. Perhaps Europa was attracted to the bull staring at her with her big eyes, she stretched out her hand and began stroking the bull. The bull gladly stared at Europa. Europa sits down on the bull's back. Now, it was Zeus who was not a bull who was pleased. Didn't you start running fiercely when you stood up here and there?


驚いたのはエウロパです。振り落とされまいとして雄牛の背中にしがみつくと助けを呼ぶために叫び声をあげました。が、だれにもその声はとどきません。そんなエウロパを背中にのせたまま、野を横切り、森を駆け抜け、山を越えて、やがて海岸に出た雄牛は、そのままざぶんと海の中に飛び込みました。エウロパはただただ恐怖に震えて泣き叫ぶばかり。それでも雄牛は引き返そうともせずに、いろいろな海の妖精やイルカたちに囲まれながら、そのままゆうゆうと海を泳いで渡り切り、ある大きな陸地にたどり着きます。
What surprised me was Europa. He screamed to call for help as he clung to the bull's back to avoid being shaken off. But no one can hear that voice. With such Europa on his back, he crossed the field, ran through the forest, crossed the mountains, and eventually went out to the shore, and the bull jumped into the sea. Europa just trembles in fear and cries. Still, the bull does not try to turn back, but while surrounded by various sea fairies and dolphins, he swims across the sea and arrives at a large land.



そこでゼウスは、あらためて自分の身分を証し、エウロパに結婚を申し込みます。そしてエウロパの名前をとって、その陸地をエウロパ大陸と命名します。これが今のヨーロッパとなるわけです。
So Zeus again proves his identity and applies to Europa for marriage. And after taking the name of Europa, the land is named Europa Continent. This is what Europe is today.


ゼウスはこの後、エウロパと別れて神々の国へ戻っていきますが、このエウロパとの愛の思い出に、自分が変身した雄牛の姿の星座をつくります。これが牡牛座なのです。
After this, Zeus breaks up with Europa and returns to the land of the gods, but in the memory of his love with Europa, he creates a constellation in the form of a bull who has transformed himself. This is Taurus.

牡牛座には、この物語のほかに、もうひとつ、ゼウスの本妻ヘラが絡む話が伝えられていますが、星座との関連性が薄いので、ここではエウロパの話を紹介するにとどめておこうと思います。
In addition to this story, there is another story about Zeus's wife, Hera, in Taurus, but since it has little relevance to the constellation, I will only introduce the story of Europa here. I'm going to go.


【2024年3月加筆】 [Updated March 2024]

1. 牡牛座の基本情報と観測方法

牡牛座の基本情報

牡牛座(Taurus)は、黄道十二星座の一つで、4月20日から5月20日生まれの人々の星座です。学名は「Taurus」で、夜空に見える星の中で最も明るい一等星「アルデバラン」を持つことで知られています1。アルデバランは牡牛の目に当たる部分に輝いており、全天21の一等星の一つです。また、牡牛の肩のあたりには有名なプレアデス星団(日本では「すばる」と呼ばれる)が位置しています1

牡牛座の観測方法

牡牛座は冬の夜空を代表する星座の一つで、秋の終わりから冬の間中観測できます。オリオン座の中心に3つ並ぶ星を目印にして右斜め上の方を探すと、アルデバランを見つけることができます1

2. 牡牛座にまつわるギリシャ神話

ゼウスとエウロペの物語

牡牛座と関連がある代表的な神話は、ギリシャ神話の主神ゼウスと古代都市フェニキアの王女エウロペの物語です2。ゼウスはエウロペの美しさに一目ぼれし、白く美しい牡牛に変身して彼女に近づきます。エウロペが牡牛の背に乗ると、ゼウスは彼女をクレタ島まで連れ去り、そこで正体を明かします。ゼウスとエウロペの間にはミノス、ラダマンテュス、サルペドンという3人の息子が生まれ、彼らはクレタ島の支配者となりました2

プレアデス姉妹の物語

プレアデス星団は、ギリシャ神話では7人姉妹のプレアデスが星に変えられたと言い伝えられています2。プレアデス姉妹はティタン族アトラスの娘で、月と狩りの女神アルテミスに仕えていました。彼女たちはその美しさから神々の寵愛を受け、長女マイアはゼウスとの間にヘルメスを産んだことで特に知られています2

3. 牡牛座の象徴と性質

牡牛座の象徴

牡牛座は、美しさ、魅惑、安定感、忍耐力、実用性、美的感覚、堅実さを象徴します1。ゼウスがエウロペを誘惑するために白い牡牛に変身したことから、牡牛座は美しさと魅力を象徴するものとされています2

牡牛座の性質

牡牛座は地のエレメントを持ち、物質的な豊かさや快適さを重視し、地に足をつけた現実的なアプローチを好む傾向があります1。また、プレアデス姉妹の神話からは、牡牛座が「運命性」「美しさ」「豊かな養育や豊穣」を示唆していることがわかります2

4. 現代の占星術における牡牛座

占星術における牡牛座の役割

現代の占星術では、牡牛座は金星を支配星とし、美しさ、愛、快適さ、物質的な豊かさを象徴します1。牡牛座の人々は、安定感があり、忍耐強く、実用的で、美的感覚に優れているとされています。

牡牛座の影響

牡牛座の影響を受ける人々は、堅実で信頼性が高く、物質的な豊かさを追求する傾向があります。また、美的感覚が鋭く、芸術や美に対する関心が高いことが特徴です1

5. 牡牛座に関連する天文学的事実

アルデバランとプレアデス星団

牡牛座の一等星アルデバランは、地球から約65光年離れた位置にあり、赤色巨星として知られています1。プレアデス星団は、地球から約440光年離れた位置にあり、若い青白い星々が集まった星団です1

牡牛座の観測史

牡牛座は古代から知られており、バビロニアやエジプトの天文学者たちによって観測されてきました。ギリシャ神話と結びつけられることで、牡牛座は西洋占星術において重要な役割を果たすようになりました1

6. 牡牛座にまつわる文化と伝説

牡牛座の文化的影響

牡牛座は、ギリシャ神話だけでなく、他の文化や伝説にも影響を与えています。例えば、エジプト神話では、牡牛は豊穣と力の象徴とされていました。また、ケルト神話でも牡牛は重要な役割を果たしており、豊穣と繁栄の象徴とされています3

牡牛座に関連する祭りやイベント

現代においても、牡牛座に関連する祭りやイベントが世界各地で行われています。例えば、スペインの「サン・フェルミン祭り」では、牡牛が重要な役割を果たしており、牡牛の勇壮さと力強さが祝われます3

7. 牡牛座の未来展望

天文学の進展と牡牛座

天文学の進展により、牡牛座に関する新たな発見が期待されています。例えば、プレアデス星団の詳細な観測や、アルデバランの進化過程の研究が進められています1

占星術の未来

占星術においても、牡牛座の象徴や性質に関する新たな解釈が生まれる可能性があります。現代の占星術は、心理学や社会学と結びつき、より多面的な視点から星座の影響を考察するようになっています1

まとめ

「ギリシャ神話~星座編~② Taurus 牡牛座 Greek Mythology-Constellation-② Taurus Taurus」の記事を読んだ方に向けて、さらに深い理解を得るための情報を提供しました。牡牛座の基本情報と観測方法、ギリシャ神話にまつわる物語、牡牛座の象徴と性質、現代の占星術における役割、天文学的事実、文化と伝説、そして未来展望について詳しく解説しました。これらの情報を参考にして、牡牛座に対する理解を深めていただければ幸いです。

1: ホロマム公式 2: おやすみ前の物語 3: ギリシャ神話由来の星座


written by Kazusa









オリジナル投稿:2019年3月29日

2 件のコメント:

  1. エウロパがヨーロッパの語源というのを初めて知りました。勉強になりました。

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    1. 仮面サラリーマンさま、コメントをありがとうございます。
      ギリシャ神話には面白いエピソードや悲しいエピソードがたくさん収められています。
      これからも少しずつ紹介させていただきますので楽しみにしていてください。

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