When Kenjiro Sakiya's "Boy in a Bottle" sees the sea in a wheat field, he always thinks that a girl will appear.
アルバムを締めくくるバラード。
まるで別なものが、なぜか頭の中では、うまい具合に重なることがあります。
自分の中にある記憶の景色と、いつか読んだ小説のイメージ世界。
むすびつけるきっかけは、たいてい音楽です。
歌詞が想起させる思いもあれば、
旋律が導いてくる映像もあります。
たぶん、とても個人的な領域なのでしょう。
なので、アーティストや作家が描いたものと、かなり違ってしまう場合もあります。
それでも、ひとたび別なもの同士が頭の中で重なり合うと、
強烈なインパクトで胸の奥に刻み込まれることが。
自然に薄れゆく景色となるのか、
あるいは書き換えられていくのか。
崎谷健次郎さんの「瓶の中の少年」を聴いたとき、その少年に自分を重ね合わせることができませんでした。そのかわりに、今までの自分とも違うし、自分が出会ったことのある誰かとも異なる、異世界から召喚されてきたような人物像が浮かび上がりました。
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」や、村上春樹の「風の歌を聴け」を読んでいるときの、なにかをかきむしられるような感情と似ています。たまたま当時、読んでいたからかもしれません。時期がずれれば、赤川次郎か椎名誠の世界だっかもしれませんし、小説ではなく映画を連想していたかもしれません。
自分が重なるのではなく、第三者を発見した感覚。
あ。そこに誰か、いる。風が吹いている。そんな感じです。
「瓶の中の少年」を聴きながら、どういうわけか私の頭の中では、少女が現れるのです。
初めて聴いたときから、ずっと。
誰なんだろう。
歌詞カードを読んでも、それらしい少女はいないんですけどね。
いちめんの麦畑を風が走るとき、まるで波のようになります。
あたかも海のように。
小説の文章には、海のリズムを感じさせる表現があります。
小説だからこそ感じることのできる、心で視る「海」です。
その海と似ているのが、麦畑。
そんなことを思わせたのが「瓶の中の少年」
あたかも海のように麦畑が、ざわざわっとすることがあります。
子どもの時のことなのか、大人になってからのことなのか。
おそらく、両方です。
子どもの頃の麦畑と、大人になってからの風が、まざりあっているのです。
だからなんだか微妙に、他人事に感じられる記憶。
見渡す限り人だらけだったかもしれない現実の中で、自分ひとりだけ孤独に浮いているように感じる日がありました。ラッシュの駅で乗り換える時なのか、全校集会の時なのか、野外コンサートの時なのか。
あれもこれも、すべてを思い返させるくせに、共通点は「ただ風が吹いていただけ」あるいは「そんな気がしただけ」という感じになるとき、「瓶の中の少年」が私を回復してくれます。疲れていたなんて気づかなかったのに、疲れていたのかなと気づくことになる数分間です。
なお。
「瓶の中の少年」は、アルバム「DIFFERENCE」のラストでは弦楽器がドラマチックに演出されています。
それに対して、シングルカットされた「夏のポラロイド」のB面では弦楽器が除外された弾き語りバージョンになっています。
弦楽器は、金色の輝きを。弦楽器がないと、なぜか緑色を、思い浮かべてしまいます。
リマスターされたアルバム「DIFFERENCE」には、ふたつの「瓶の中の少年」が収録されています。
A ballad that closes the album. Sometimes completely different things overlap in my head. A memory of a scene in my mind and an image of a novel I once read. It's usually music that makes the connection. Sometimes the lyrics evoke feelings, and sometimes the melody leads to images. It's probably a very personal area. So it can be quite different from what an artist or writer has depicted. But even so, once different things overlap in my head, it leaves a strong impact and is engraved deep in my heart. Will it become a scene that fades away naturally, or will it be rewritten? When I listened to Kenjiro Sakiya's "Boy in a Bottle," I couldn't see myself in the boy. Instead, I saw a figure that seemed to have been summoned from another world, different from who I was and different from anyone I had ever met. It's similar to the feeling of something being torn away when reading J.D. Salinger's "The Catcher in the Rye" or Murakami Haruki's "Hear the Wind Sing." Maybe it's because I happened to be reading them at the time. If it had been a different time, it might have been the world of Akagawa Jiro or Shiina Makoto, or I might have associated it with a movie rather than a novel. It's not a feeling of overlapping with myself, but a sense of discovering a third party. Ah. There's someone there. The wind is blowing. That's how it felt. When I listen to "Boy in a Bottle," for some reason, a girl appears in my mind. Ever since the first time I heard it. I wonder who it is. Even when I read the lyrics, there's no girl who fits that description. When the wind blows through a wheat field, it becomes like a wave. Just like the sea. There are expressions in the novel that make you feel the rhythm of the sea. It's the "sea" that you can feel and see with your heart because it's a novel. Similar to that sea is the wheat field. "Boy in a Bottle" made me think of such things. Sometimes I feel a rustling sound in the wheat field, as if it were the sea. Is it from my childhood or from when I became an adult? Probably both. The wheat field of my childhood and the wind of my adulthood are mixed together. So it's a memory that somehow feels like something that doesn't happen to me. There were days when I felt like I was floating alone in a reality that may have been full of people as far as the eye could see. Was it when I was changing trains at a station during rush hour, during a school assembly, or at an outdoor concert? When I feel like I'm just "the wind was blowing" or "it just felt like that" even though it reminds me of everything, "Boy in a Bottle" helps me recover. It's a few minutes when I realize that I was tired, even though I didn't realize I was tired. By the way. "Boy in a Bottle" is performed with dramatic string instruments at the end of the album "DIFFERENCE". In contrast, the B-side of the single "Summer Polaroid" is a version with just the guitar and vocals, without the strings. Strings give off a golden glow. Without the strings, for some reason, the color green comes to mind. The remastered album "DIFFERENCE" contains two versions of "Boy in a Bottle."
【2024年5月加筆】 [Updated May 2024]
崎谷健次郎の「瓶の中の少年」は、彼の音楽キャリアの中でも特に印象的な作品の一つです。この曲を通じて、彼の音楽の魅力や最新の活動についてさらに深く知りたい方のために、2024年5月時点の最新情報を含めてご紹介します。
崎谷健次郎の音楽キャリア
崎谷健次郎は、1980年代後半から1990年代にかけて活躍したシンガーソングライターであり、彼の楽曲は多くの人々に愛されています。彼の音楽は、ポップス、ジャズ、R&Bなど多様なジャンルを取り入れた独自のスタイルが特徴です。「瓶の中の少年」は、彼の代表曲の一つであり、その詩的な歌詞とメロディーが多くのファンの心を捉えています。
最新アルバムとリリース情報
2024年には、崎谷健次郎の新しいカバーアルバム「EVERLASTING - Cover Songs -」がリリースされました。このアルバムには、ボビー・コールドウェルやクリストファー・クロス、ビリー・ジョエルなどの名曲が収録されており、崎谷の独自のアレンジと歌唱で新たな魅力を引き出しています1。特に、ファンからのリクエストに応じた選曲が特徴で、彼のフルート演奏も初めて収録されています。
ライブ活動
崎谷健次郎は、2024年も精力的にライブ活動を行っています。特に注目すべきは、8月25日に六本木クラップスで開催された「City Breeze 2024 ~ Single Collection~」です。このライブでは、彼のシングル曲を中心に構成され、一部と二部で異なるセットリストが披露されました2。また、11月には名古屋、大阪、東京でのライブツアーも予定されており、ファンにとっては見逃せないイベントとなっています。
崎谷健次郎の音楽の魅力
崎谷健次郎の音楽は、その詩的な歌詞と美しいメロディーが特徴です。「瓶の中の少年」では、少年の孤独や夢、希望が描かれており、聴く者の心に深く響きます。また、彼の楽曲には、日常の風景や感情が繊細に表現されており、聴く者に共感を呼び起こします。彼の音楽は、時代を超えて愛され続ける普遍的な魅力を持っています。
崎谷健次郎の影響と評価
崎谷健次郎は、その独自の音楽スタイルと高い歌唱力で、多くのアーティストや音楽ファンに影響を与えてきました。彼の楽曲は、テレビドラマや映画の主題歌としても使用され、多くの人々に親しまれています。また、彼の音楽は、リラックスしたい時や感傷的な気分になりたい時にぴったりで、多くのリスナーにとって心の癒しとなっています。
崎谷健次郎の今後の活動
2024年以降も、崎谷健次郎は新たな音楽プロジェクトやライブ活動を予定しています。特に、彼の公式ウェブサイトやSNSでは、最新の活動情報やリリース情報が随時更新されており、ファンにとっては欠かせない情報源となっています3。また、彼のYouTubeチャンネルでは、過去のライブ映像や新曲のティーザーなどが公開されており、彼の音楽をより身近に感じることができます。
崎谷健次郎のファンコミュニティ
崎谷健次郎のファンコミュニティは、彼の音楽を愛する人々が集まる温かい場所です。ファン同士の交流や情報交換が活発に行われており、彼の音楽を通じて新たな友人を作ることができます。また、彼の公式メルマガ「K-PRESS」では、最新の活動情報やメッセージが定期的に配信されており、ファンにとっては貴重な情報源となっています4。
まとめ
崎谷健次郎の「瓶の中の少年」は、彼の音楽キャリアの中でも特に印象的な作品であり、その詩的な歌詞と美しいメロディーが多くの人々に愛されています。2024年には新しいカバーアルバム「EVERLASTING - Cover Songs -」がリリースされ、精力的なライブ活動も行われています。彼の音楽は、時代を超えて愛され続ける普遍的な魅力を持ち、多くのリスナーにとって心の癒しとなっています。今後も彼の新たな音楽プロジェクトやライブ活動に注目し、彼の音楽を楽しんでください。
1: 崎谷健次郎オフィシャルブログ 2: 崎谷健次郎オフィシャルブログ 3: 崎谷健次郎公式サイト 4: 崎谷健次郎オフィシャルブログ
オリジナル投稿:2019年5月9日
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