飛鳥山は小高い丘です。いえ、東京でいちばん低い山です。
広大な敷地面積、そのなかには、かつて渋沢栄一の住まいがありました。
旧渋沢庭園と呼ばれている一角です。
旧渋沢庭園には、ふたつの建物が残っています。
住まいは空襲で焼失したものの、レセプションルームとして活用されていた「晩香盧」と、接客にも利用された「青淵文庫」です。
飛鳥山の標高は東京でいちばん低い山?
旧渋沢庭園と呼ばれている一角です。
旧渋沢庭園には、ふたつの建物が残っています。
住まいは空襲で焼失したものの、レセプションルームとして活用されていた「晩香盧」と、接客にも利用された「青淵文庫」です。
渋沢栄一の喜寿(77歳)を祝って、清水組(清水建設)が贈りました。
【お知らせ】— 清水建設株式会社【公式】 (@Shimizu_now) 2017年12月6日
歴史的建造物「落成から100年、渋沢栄一翁が愛した名建築『晩香廬(ばんこうろ)』」を掲載しました。
★詳細はこちらです⇒https://t.co/1vXV1jgXGm pic.twitter.com/1G7HqZG34N
渋沢翁の喜寿を祝って清水組が贈った洋風茶室「晩香盧(ばんこうろ)」です。 pic.twitter.com/WB4dM5Hvt2— 清水建設株式会社【公式】 (@Shimizu_now) 2016年3月29日
渋沢栄一は大変気に入り、91歳で亡くなられるまで交流の場として積極的に活用しています。おしゃれなレセプションルームという趣です。
暖炉真上にタイルで文字 壽 が施工されています。
はじめまして19(いっきゅう)、17(いーな)です。いつもは平面な私たちを、学芸員さんが立体にしてくれました!ときどき晩香廬からつぶやきます。お楽しみに! pic.twitter.com/gtwjkj7Ovk— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月11日
晩香盧は栗の木が使われています
栗の木は、防虫性が高いことで知られているのですが、実際に住宅に使われる実例は多くないのかもしれません。スギやヒノキに比べて、住宅用木材としての製造量そのものが少ないですし、住宅よりも家具に利用されて、高級仕様になるケースが多いです。
林業の現場では、かなり古くから使い続けられています。屋外に放置してある木造施設が栗の木だと、白アリの被害がないそうです。白アリは地中に自然に生息しているので、屋外で特別な防水防虫施工をしないと、たいてい被害にあうのですが、そういうことがないんだとか。
吸湿性に優れている桐のタンスは、火事に強いことで知られています。
防虫性の高い栗の家具は、虫害から守りたい紙類などの貴重品の保管に最適です。
渋沢栄一の晩香盧は、運よく戦火を免れました。それだけでなく、内装がいまなお美しいのは、栗の木の効果かもしれません。
なお、栗の木は、伐採してからも時間がかかります。
加工できるようになるまで、5年から10年。ひたすら乾燥させるためです。
乾燥が甘いと、ゆがんでしまうのがデメリット。
長い年月でゆがむことなく耐久性が発揮されているということは、それだけ良質な栗の木材が使用されているのだとわかります。
栗の木は、建物だけでなく家具や調度品の良質さも象徴しています。
渋沢栄一の晩香盧は、運よく戦火を免れました。それだけでなく、内装がいまなお美しいのは、栗の木の効果かもしれません。
なお、栗の木は、伐採してからも時間がかかります。
加工できるようになるまで、5年から10年。ひたすら乾燥させるためです。
乾燥が甘いと、ゆがんでしまうのがデメリット。
長い年月でゆがむことなく耐久性が発揮されているということは、それだけ良質な栗の木材が使用されているのだとわかります。
栗の木は、建物だけでなく家具や調度品の良質さも象徴しています。
【メモ】
渋沢栄一の漢詩「菊花晩節香」
晩香盧の名前の由来になっています。
晩香盧の名前の由来になっています。
[東京都北区王子の飛鳥山公園にふらっと行ってきた]旧渋沢庭園と青淵文庫、晩香廬・・・すごいこれ国指定の重要文化財だし渋沢ってあの渋沢栄一関連か!飛鳥山にこんな歴史的建造物があるだなんて知らなかった。。。— 文一総合出版[公式]新刊 ((( つ'∀')⊃📗)) (@BunichiSS) 2018年11月21日
でもこれは都合により後日に行くことにするー pic.twitter.com/o1s4RSeKaS
設計したのは、田辺淳吉。清水組の技師長です。清水組は、現在の清水建設です。
田辺淳吉は、渋沢栄一にゆかりのある建物を設計しています。
次の「青淵文庫」も、さらには埼玉県深谷市にある「誠之堂」も手がけています。
晩香盧は1917年に、渋沢栄一の喜寿を祝ってつくられましたから、その年を表す「1917」の文字が、さりげなく散りばめられています。
建物の外観は、とても落ち着いた雰囲気。
どことなく森の中を想起させる雰囲気です。
昼でも照明が必要かな? というくらいの、ほの暗さも。
その理由は、軒先です。
軒先は、屋外の柱で支えられるほど長く設計されているので、良い意味で日除け効果に。
ツイッターで、晩香盧の各所が紹介されています。
現地では、あまりにも自然に溶け込んでいる繊細な場所だったりするので、あらためて写真で見ると『こんなふうになっていたのか』と気づかされます。
なかには、スタッフに声をかけないと見ることのできないスペースも。
蝶番と鋲
屋外施工のタイル。階段にもあります。
晩香盧は、豊かな自然に包まれています。
新緑の季節は、とくに色鮮やかです。
つづきは、こちらの記事をごらんください
↓ 「青淵文庫」
オリジナル投稿:2019年5月9日国指定重要文化財 晩香廬・青淵文庫内部公開
渋沢史料館の入館券でご覧になれます(一般300円 小中高100円)
渋沢史料館開館日の 10:00〜15:45庭木の剪定が見事です。ついつい、見入ってしまいます。17(イーナ)です!晩香廬の特徴の一つ、赤い瓦屋根。晴れている日はもちろん、雨にしっとりと濡れた屋根もきれいで、私は大好きです。新緑の緑と屋根の赤。ぜひ見に来てくださいね。#ばんこうろ #渋沢史料館 pic.twitter.com/ENOMb5COgt— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月14日
この先にヨーロッパの山小屋をほうふつとさせる素朴な洋風茶室・晩香廬があるのです。#ばんこうろ #渋沢史料館 pic.twitter.com/7RWvU9HSLT— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月14日
1917
晩香盧は1917年に、渋沢栄一の喜寿を祝ってつくられましたから、その年を表す「1917」の文字が、さりげなく散りばめられています。
19(イッキュー)です。私たちが生まれたきっかけは、渋沢栄一さんの77歳(喜寿)のお祝いです。その年を記念して、室内の家具や調度品のいくつかに「1917」の数字が刻まれています。 #ばんこうろ pic.twitter.com/oXppxmx62m— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月16日
建物の外観は、とても落ち着いた雰囲気。
どことなく森の中を想起させる雰囲気です。
昼でも照明が必要かな? というくらいの、ほの暗さも。
その理由は、軒先です。
軒先は、屋外の柱で支えられるほど長く設計されているので、良い意味で日除け効果に。
まるで夏本番のような暑い一日が本日もスタートしています。— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月21日
軒が長い造りになっている晩香廬は、陽射しが室内にダイレクトに入らないので、心地よい室内環境を保っています。
軒の存在に感謝。ありがとう! pic.twitter.com/eGH0Bh6vp0
ハートのデザイン
晩香盧では、「1917」の他にも、ハート形のデザインが、ひそんでいます。
晩香廬の家具のいくつかには、ハートの文様があります。— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月21日
「ハート」の意味を広辞苑で調べると「心」「感情」「心臓」「愛情」「恋心」。単なるデザインなのか?それとも渋沢栄一に込めた想いを追求したらこの形になったのか?想像は膨らみます。#晩香廬 #ばんこうろ pic.twitter.com/N2MWPDbHYq
晩香盧はデザインの宝庫
ツイッターで、晩香盧の各所が紹介されています。
現地では、あまりにも自然に溶け込んでいる繊細な場所だったりするので、あらためて写真で見ると『こんなふうになっていたのか』と気づかされます。
なかには、スタッフに声をかけないと見ることのできないスペースも。
蝶番と鋲
そして、火鉢。談話室と合の間(玄関)の境にある板扉。ふだんは、皆様に入室いただきやすいように、開けたままにしています。室内側の面には、こんな素敵な蝶番や飾り鋲があります。— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月28日
ご覧になりたい場合は、スタッフまでお声をおかけください。#ばんこうろ #渋沢史料館 pic.twitter.com/eXMlo0P9Iz
六角形の箱を4段積み重ねた正体は・・・火鉢です。使い方については、今後ツイートします。#ばんこうろ #渋沢史料館 pic.twitter.com/g3Vduc4SVh— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月30日
傘立て。100年経っても現役です。5月30日に紹介した、六角形の箱を4段に積み重ねた火鉢。— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年6月2日
1番上の段の蓋を開けると、内側に銅板が張られ灰が入っています。
火鉢の下から2段目は引出しになっていて、炭などを収納できます。よ~く考えられているスマートな火鉢なのです。 pic.twitter.com/jzNUgotAn6
タイル連日つぶやいている、晩香廬にある家具の「脚」への注目。— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年6月8日
今日は、スラッとした「脚」をご紹介。こちらもまた名栗仕上げを施しています。
この脚の正体は、傘立て。100年前のものを現在も使用しています。 pic.twitter.com/HSwASMWKQ0
屋外施工のタイル。階段にもあります。
外壁のタイルを見てみましょう。— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年6月20日
視線を下げると階段の蹴込にもタイルが。
上下のタイルの張り方が異なります。なかなか気付かない見所をこれからもお伝えしますね! pic.twitter.com/TCCFEOB7VD
茶、黒、紫、赤とさまざまな色に見える晩香廬のタイル。光の当たり具合によって表情が異なります。#ばんこうろ #渋沢史料館 pic.twitter.com/WHrvLPLoKg— 19(イッキュー)17(イーナ)@晩香廬 (@bankouro) 2017年5月27日
晩香盧は、豊かな自然に包まれています。
新緑の季節は、とくに色鮮やかです。
つづきは、こちらの記事をごらんください
↓ 「青淵文庫」
飛鳥山で日本経済の光を感じられる青淵文庫
written by 水瀬次郎
新紙幣の肖像になることも決まって、これからも渋沢さんの注目度は上がって行きそうですね。
返信削除新紙幣が出る頃はキャッシュレスが進んで、お金のイメージも変化しているかもしれませんね。
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