2026年1月8日、AP通信などの国際メディアは、イラン国内の抗議活動が31州のうち28州、310カ所以上に拡大したと報じました。食料も買えないほどの深刻な経済困窮が、国民の怒りを「現体制の打倒」へと向かわせています。
1. イラン全土で燃え上がる抗議デモの現状:28州拡大と36人の犠牲
今回のデモは、かつてないスピードで地方都市や聖地にまで波及しています。 ### 1-1. 死者36人、逮捕者2,000人超。激化する治安部隊との衝突
米国拠点の「人権活動家通信社」の報告によると、これまでに**少なくとも36人が死亡**(抗議者30人、子ども4人、治安部隊2人)。逮捕者は2,000人を超えています。当初は平和的な行進でしたが、治安部隊の弾圧に対し、市民が警察署を襲撃し武器を奪うなど、一部では武装蜂起に近い状態となっています。
### 1-2. 港湾都市バンダルアッバースからタブリーズまで。新たな都市へ波及
デモは南部ホルモズガーン州の港湾都市バンダルアッバースから始まり、シーラーズ、タブリーズ、そしてシーア派の聖地マシュハドにまで広がりました。SNS上の動画では、治安部隊が市民の勢いに押されて撤退する様子や、政権の象徴である看板が焼き払われる光景が拡散されています。
2. なぜ今?デモを爆発させた「通貨暴落」と「戦時経済」の限界
国民を街頭へ駆り立てたのは、思想信条以上に「今日食べるものがない」という切実な生存本能でした。 ### 2-1. イラン通貨リアルの急落とハイパーインフレの衝撃
2025年6月のイスラエルとの戦争後、西側諸国の制裁がさらに強化。これによりイランの通貨リアルは紙屑同然となり、12月末には暴落が加速しました。
* **物価上昇:** 過去数年で物価は400%以上上昇。
* **食料危機:** 油や小麦などの基本食料すら一般市民の手には届かない価格になっています。
### 2-2. 政府の補助金「月額7ドル」に国民が激怒した理由
怒りに拍車をかけたのが、政府が打ち出した「救済策」でした。物価高騰の補填として提示された補助金は、わずか**月額7ドル(約1,000円)相当**。ハイパーインフレ下では「卵1パック買うのが精一杯」という少額であり、国民からは「我々をバカにしているのか」と激しい反発を招きました。
3. ハメネイ師に亡命の噂?揺らぐイスラム指導体制の行方
デモの矛先は、最高指導者ハメネイ師を中心とする宗教指導体制そのものに向けられています。 ### 3-1. 最高指導者の「脱出計画」報道とSNSでの反応
イギリスのタイムズ紙などは、治安部隊が制御不能になった場合に備え、ハメネイ師が家族とともにテヘランから脱出する計画があると報じました。真偽は不明ですが、ネット上では**「独裁者に死を」**というスローガンに加え、1979年の革命で倒された**パフラヴィー王朝(王政)の復活**を望む声すら上がり始めています。
### 3-2. 革命防衛隊と国軍の動向:軍は民衆に発砲するのか?
現政権を支える「革命防衛隊」と、一般的な「国軍」の間で温度差が生じているとの指摘もあります。軍が市民への発砲を拒否し、デモ隊側に回るようなことがあれば、47年続いたイスラム体制は崩壊の時を迎えることになります。
---
4. 国際社会の思惑:アメリカの介入と中露の影響
この混乱は、国際的なパワーバランスにも大きな影響を与えています。 ### 4-1. トランプ大統領の警告「いつでも出動できる」
米国のトランプ大統領はSNSで、**「平和的なデモ参加者が殺害されるなら、アメリカは行動を起こす」**と強く警告。軍用輸送機の動きも観測されており、力による現状変更を辞さない姿勢を見せています。
### 4-2. 「中露イラン枢軸」の崩壊は日本にどう影響する?
イランはロシアや中国にとって重要なパートナーです。もしイランが親米政権に交代すれば、中露にとっては大きな打撃となります。
一方で、日本にとっては**石油供給の安定化**というメリットがある反面、混乱による**一時的な原油価格の乱高下**というリスクも孕んでいます。掲示板では「日本のコメ高騰より深刻だ」と、イランのハイパーインフレと自国の経済を重ね合わせる声も目立ちます。
---
0 件のコメント:
コメントを投稿